先輩

「準備と行動」で切り開く、日本での就職と充実した人生

ベトナム A.I.さん

業界:商社

ベトナム出身。日本の大学を卒業後、岡山県のものづくり関連企業に就職。営業アシスタントとして、語学力を活かした業務に携わる。その後、建設業界へ転職し、企画営業を経験。現在は子育てと向き合いながら、今後のキャリアを見据えた時間を過ごしている。

  • 留学体験談
  • 就活体験談
  • 日本でのキャリア

就活データ

  • 志望業界:ものづくり関連
    (製造・商社系)
  • インターンシップ参加:0社
  • 説明会参加:約50社
  • ES提出:約20~30社
  • 面接:約10~15社
  • 内定:5社

安心して学べる環境と、その先の未来を考えて選んだ日本留学

私はベトナムの高校でフランス語を学んでいましたが、一方で日本への興味もありました。高校卒業後は海外の大学に進学することを考えており、地元で日本の大学の説明会が開催されたので参加しました。話を聞いて、留学生を受け入れる体制が整っており、初めての海外生活でも安心して学べそうだと感じました。また、奨学金制度があり学費の負担を抑えられる点も大きな決め手でした。国としての人気や、卒業後の進路の広さを考えても、日本には多くの可能性があると感じました。 日本はベトナムで人気の留学先でもあり、日本人の優しさや、仕事に対する真面目な姿勢から多くのことを学びたいと考えました。そして留学を決めた時から、「大学を卒業した後は、数年間日本で働いてみよう」というイメージを持っていました。両親は「卒業したらすぐにベトナムに帰ってきてほしい」と言っていましたが、私は家族と一緒にいる安心感よりも、日本で一人で頑張って自分を成長させる「チャレンジ」を選んだのです。 「日本で就職する」と言うと、特別な才能がある人の選択だと思うかもしれません。でも、私のスタートは「奨学金があるから」「日本で学びたいから」という、多くの留学生の皆さんと同じ等身大の理由でした。悩みながらも自分で決めたこの一歩が、すべての始まりでした。

日本の就活は難しい? 私が感じた壁と、その乗り越え方

日本の就職活動で最初に驚いたのは「会社説明会」という文化です。ベトナムではホームページで募集内容を確認し応募するのが一般的ですが、日本では企業の担当者が直接、会社の特徴や仕事内容を詳しく説明してくれます。私はこの説明会を、日本の社会や企業を深く知るための「社会勉強」のチャンスだと思いました。大学のある岡山県内の企業だけでなく、広島、大阪、東京で開催される説明会にも参加しました。最終的には50社以上の説明会に足を運び、自分に合う会社を探しました。 しかし、選考が進む中で大きな壁にぶつかりました。それは面接です。当時の私の日本語レベルは「N2」程度で、今のように流暢ではありませんでした。面接官からの質問に対してすぐに適切な言葉が出てこなかったり、自分の思いがうまく伝えられなかったりして、頭が真っ白になることも。伝えたいことをじっくり考えたり見直したりできるエントリーシートとは違い、その場での対応が求められる面接はとても苦労しました。 そこで私が行ったのは徹底した「準備」と「練習」です。大学のキャリアセンターへ行き、先生から面接でのマナーを一から教わりました。また、友人たちと協力して模擬面接を繰り返しました。その様子を先生に見てもらい、アドバイスをいただき、少しずつ自信をつけていきました。動画サイトの面接対策も役に立ちました。 こうした努力の結果、5社から内定をいただくことができました。私が大切にしていたのは、知名度や業種よりも、実際に働く人たちの雰囲気や社内環境です。多くの説明会に参加して自分の目で確かめ、しっかりと準備をして選考に臨んだことが、自分に合った会社との出会いにつながったと感じています。 日本の就活は、特別な才能が必要なわけではありません。大切なのは「どれだけ準備をし、どれだけ動いたか」です。もしわからないことがあれば、恥ずかしがらずに周囲の先生や日本人の友人を頼ってください。誠実に、熱意を持って準備を続ければ、必ず留学生の皆さんの努力を評価してくれる会社が見つかるはずです。

外国人として働く中で見えた、自分の強みと評価されるポイント

日本で初めて働く私にとって、企業内に安心して相談できる環境があるかどうかは重要でした。入社した会社は機械の商社で、外国籍社員も多く、国籍に関係なく意見を言いやすい雰囲気でした。そのため、仕事への不安も少しずつ減っていきました。 営業アシスタントとして働きながら、日本語を中心に、ベトナム語や英語を使った翻訳や通訳などの業務も担当しました。海外の工場とのやり取りや、ベトナムとのやり取りが必要な場面では、母国語を活かして仕事を進めることができました。印象に残っているのは、コロナ禍での経験です。当時、工場が止まり、これまで扱っていた部品が思うように売れなくなりました。その状況を見て、私は「今、必要とされているものを売ろう」と考え、マスクの販売を提案しました。最初は不安もありましたが、社内で相談しながら進め、結果的に大きな成果につながりました。この経験を通して、「指示を待つだけでなく、自分で考えて動く姿勢」が評価されることを学びました。 その後、建設業界の会社へ転職しました。新規開拓営業を任されましたが、想像以上に厳しく、仕事が終わって車を運転しながら一人で泣いたこともあります。そんな私を支えてくれたのは、当時の営業部長でした。部長は私を否定せず、一緒に現場を回って丁寧に指導してくれました。現場で困っているお客様のために、ベトナムから来た技能実習生との通訳を買って出ると、お客様の表情がパッと明るくなり、信頼関係が深まったこともありました。 結婚を期に会社を辞めることになったとき、あるお客様から「あなたが営業だったから、御社と仕事をすることに決めたんです」というメールをいただきました。営業とは、会社の技術や商品を売る前に、「自分という人間」を信頼してもらう仕事なのだと、あらためて実感しました。 語学力や国籍は、その人の一部にすぎません。誠実に向き合い、信頼を積み重ねることで、外国人であることは不利ではなく、むしろ大きな“強み”になると仕事を通して感じました。

都会と地方、両方を経験して気づいた “私らしい暮らし方”

現在、私は1歳の子供を育てながら、忙しい毎日を過ごしています。日本での就職から始まった私の歩みは、いつしか「日本で働くこと」から「日本で生きること」へと、新しいステージに進みました。 日本で出産し、子育てを始めた当初は、正直とても不安でした。両親が近くにいない中での育児は、孤独を感じることもありました。家族以外の人と話したいと思う日もありました。そんなときに心強かったのが、地域のつながりです。市が開催する子育てイベントに参加したり、助産師の方に自宅で話を聞いてもらい、気持ちが楽になりました。 夫の転勤に伴い、岡山から関東、そして東海地方へと住む場所が変わる中で、私は“地方で暮らす良さ”を強く感じるようになりました。地方では移動のほとんどが車で、子どもを連れての外出がしやすく、買い物や病院にもストレスなく行けます。公共交通機関を使う場合も都心のような混雑が少なく、ゆったりと過ごせます。営業職だった頃も、現在の子育ての生活でも、車で自由に動ける地方の生活は自分に合っていると実感しています。 もちろん都会にも魅力はありますが、毎日の暮らしやすさという点では、私は地方の方が心に余裕を持って生活できています。自然が多く、ゆっくりした時間が流れる環境は、子育てとの相性も良いと感じています。 日本で働くことは、決して楽なことばかりではありません。それでも、一歩踏み出して本気で向き合えば、仕事だけでなく、充実した人生そのものを築いていけるチャンスがあると思います。

日本で働きたい留学生に、先輩からのアドバイス

1 日本語は「資格」だけでなく、「使う量」も重要

資格があっても、話さなければ日本語は身につきません。間違えてもいいので、日常の中で使う回数を増やすことが一番の近道です。

2 面接は慣れ。落ちても次がある

最初からうまく答えられる人はいません。友人との練習や動画での対策を繰り返し、場数を踏むことで内定に繋がりました。

3 分からないことは、隠さず聞く

素直に「教えてください」と周りに頼る姿勢が、職場でのスムーズなコミュニケーションと信頼関係を築くコツです。

4 会社選びは仕事内容だけではなく、人も見る

職場の雰囲気や一緒に働く人との相性を大切にすることで、自分らしく安心して働ける環境を見極めることができます。

5 経験したからこそ分かる地方就職の魅力

都会のような混雑がない地方は生活がしやすく、車などの利便性も含めて自分に合った豊かな暮らしを送ることができます。

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