内定者インタビュー

祖父が自動車関連の工場を経営していた影響で、子どもの頃からクルマやバイクが好きだった並木さん。機械を専門的に学びたいと思い、進学先として高専を選びました。学業と両立しながら資格試験にも積極的にチャレンジし、3つの資格を取得。特に、難関資格である「2級機械・プラント製図技能士」の取得を通して、大きな自信を手に入れたそうです。そして、希望が叶って第一志望の自動車メーカーから内定を獲得。並木さんの就職活動のプロセスには、学びのヒントがいっぱいです。

内定者インタビュー Vol.02

東京都立産業技術高等専門学校 並木 健太郎さん
自動車メーカー 総合職 内定
東京都立産業技術高等専門学校
ものづくり工学科 機械システム工学コース
並木 健太郎さん

在学中に一番力を入れていたことは何ですか?

実験をする並木さん

積極的に取り組んでいたのは、資格の取得です。「普通旋盤作業3級」「2級・3級機械・プラント製図技能士」と3つの資格試験に挑戦し、合格しました。なかでも苦労したのは、「2級機械・プラント製図技能士」の試験勉強です。超難関資格で、私の代で受検したのは2人のみ。授業後は、二度目の挑戦となる先輩も含めて3名で製図室にこもり、ひたすら図面を描いていました

先生から描いた図面のフィードバックを受けてブラッシュアップしていくと同時に、教科書を読み込んで知識を吸収。通学に2時間かかるなか、学校の授業との両立は大変でしたが、合格の知らせを受けたときには大きな達成感を味わえました。

学校の研究で印象に残っているのは、“電解液ジェット加工”の研究です。材料に向けて電解液をジェット状に噴射し、電流を流すことで化学反応を起こして加工を施すというもので、実用化すれば電子基板の製造プロセスの変革につながる技術です。

就職活動を振り返ってみて、どうでしたか?

クルマやバイクが好きだったので、早くから乗り物業界に絞って就職活動をスタート。大手自動車メーカーをすべてチェックしたほか、造船会社のインターンシップにも参加しました。「乗り物業界で働く」というイメージをしっかり持っていたので、比較的スムーズにアクションを起こせたと思っています。

就職活動を進めるにあたって、マニュアル本などは特に参考にしませんでした。その理由は、企業研究を通して第一志望の自動車メーカーが、一人ひとりの個性を大切にする会社だとわかったから。マニュアル本を参考にしてしまうと、個性が埋もれてしまうと思ったのです。

面接対策も特に行わず、聞かれた質問に対してその場で考えて答えるようにしました。事前に答えを用意しておくと、当たり障りのない内容になってしまい、想いも伝わりにくいと思ったからです。実際、面接では本音を自分の言葉でストレートに伝えることができました。

就職活動中につらかったことは何ですか?

窓の外を眺める小室さん

自分が一次面接しか終わっていない段階で、まわりの友人たちに次々に内定が出たことです。しかも、二次面接は1ヵ月先という状況。「もし落ちたら、またイチから出直しか…」と思うと、とてもつらかったです。

ただ、ネガティブな気持ちになっていても仕方がないので、趣味に没頭して気持ちをリフレッシュ。二次面接までの間は、スケボーやプラモデルづくりなど、好きなことをして気を紛らわせていました。

また、志望動機を書くことも苦労したことのひとつ。祖父が工場を経営していたのでモノづくりに興味を持ち、中学時代にクルマやバイクが好きになって高専に入り、将来モノづくりに携わるために旋盤や製図の資格を取って…、と自分のなかでのストーリーはできあがっていたのですが、格式ばった文章で志望動機としてまとめるのが難しかったです。「高専時代の具体的なエピソードを入れなさい」などと、先生には5~6回ほどダメ出しをされました。

入社予定の企業を選んだ決め手は?

まず、クルマもバイクも手がけているメーカーだったこと。1年間の新人研修を通して幅広い業務を経験した後、どちらの道に進むかを決められると聞いて魅力を感じました。また、内定をいただいた会社は独創性を大切にした個性派集団。自分らしさを大切にしながら働けそうだった点も、入社を決めた理由のひとつです。

エントリーシートの志望動機欄を埋めるのは苦手でしたが、趣味・特技欄はしっかりと書き込みました。面接担当者さんがその点を掘り下げてくださり、会話が盛り上がったことがとても印象に残っています。

特に、そのメーカーのクルマが登場するある漫画の話題で、一次面接の担当者さんと意気投合。予定時間をオーバーするほど話し込んでしまいました。それが決め手になったのかどうかはわかりませんが、二次面接がスタートしてすぐ、その場で「採用」という言葉をいただくことができたのです。あまりにも突然の出来事だったので、とても驚きました。

後輩に向けてメッセージをお願いします

研究室での小室さん

私は早くからやりたいことが決まっていたので、会社選びでそれほど苦労することはありませんでした。けれども、自分の軸が明確に定まっていない方は、学校で学んだことと興味や関心があることを照らし合わせながら、候補を絞り込んでいくといいと思います。

インターンシップに積極的に参加して、業界や仕事、会社のリアルに触れることも大事です。ちなみに、私は設計にも製造にも興味があったので、両方を体験できるカリキュラムがある会社のインターンシップに参加しました。結局、その会社にはエントリーしませんでしたが、多くの学びを得ることができました。

あくまで私の主観ですが、二次面接で落ちてしまった友人たちを見ていると、志望動機や質問への回答例を作り込みすぎていたような気がします。もちろん、会社の社風にもよるので一概には言えませんが、面接では事前準備をし過ぎるのではなく、その場で思ったこと、答えたいことを自分の言葉で包み隠さず伝えてみるのもいいかもしれません。

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