株式会社みずほフィナンシャルグループ
人材戦略推進部 採用チーム 次長
大口 一仁
1980年、新潟県生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。2004年みずほ銀行入行。営業職を経て、現在は人材戦略推進部で採用に携わる。
大学入学を機に、新潟から上京。遊びに夢中で、2年生の秋までは浮かれた学生生活を過ごしていた。漠然と政治の世界に行ってみたいという思いはあったが、行動は何もしていなかった。
転機が訪れたのは2000年の11月。当時の自民党内に、俗に“加藤の乱”と呼ばれる倒閣運動が起き、私はこのニュースに釘付けになった。インターネットが隆盛を始めた時期でもある。一連の顛末や世論を追いながら、時流の激しさを感じて、心が震えた。しかし同時に、政治や社会に関する自らの無知や考え不足を痛感した。それから毎日大量の本を読み、読んだ内容や関連する事柄について、寝る直前まで熟考した。
インプットを習慣化すると、自ずとアウトプットも生まれる。結果、社会問題などについて、友人間やゼミの場で、積極的に会話や議論をするようになっていった。
その後、機会をいただき、ディベートにも挑戦するようになっていく。ディベートに勝つには、否定、肯定、両方の意見を俯瞰で見る必要があり、反対意見の良い点にも着目しなくてはならない。私はメタ認知力や相対的な視点を駆使して、自分なりの思考のフレームワークを磨いた。
また「どんな場面でも発言の機会があれば必ず手を挙げる」というルールを自分に課した。すると、活動範囲や人脈も広がり始める。学生ディベート大会に選抜されて全国大会へ進出し、ゼミの教授の誘いでテレビの国際討論番組にも出演した。この経験をきっかけに「世界国際学生会議」を創設し、全国で大小さまざまな討論会やセミナーを主催。知遇を得て、議員秘書の仕事も経験した。ともに考え、発言し合い、議論が喚起され、何かが動く――、その好循環への期待に夢中になった。子どもの頃から話すことが好きで、自分でも得意だと思っていたが、そこに価値があると実感できる喜びもあった。
議論の相手にも敬意と関心を持つことや、「自分の意見は間違っているかもしれない」という謙虚さの重要性などについても学びを深めた。
数多くの議論によって培った力は、社会に出てからも、役に立っている。正直に言うと、入行直後は仕事を楽しめない時期もあったが、3年目に故郷への転勤をきっかけに“覚醒”した。新規営業の仕事で、傾聴力と話術を活かすことで、成績が激増。その後は、お客さまや部下との人間関係で“やらかした”こともあったが、学生時代に築いた思考力が、自省や解決策の検討に導いてくれた。
とにもかくにも、自分の学生生活は大正解だったと思う。本を読み、仲間と語らい、志を磨いて、酒を酌み交わし、恋もした。欲を言うなら、ものぐさだった自分にもっと早く喝を入れられたら、活動をよりグローバルに拡げられていたかもしれない、というのが振り返って思うことである。
学生への応援メッセージ
人生100年時代。圧倒的な不確実性の中で「早く何者かにならなくては」と焦る人は多いと思います。でも慌てて、ブームや模倣に寄りかかるのはおすすめしません。好きなことや得意なことは何か、人に喜んでもらえることは何かを考えてみてください。それがたとえ、どんなにニッチなことだとしても、継続するうちに細部から普遍に至る、ということがきっとある。その上で、自ら行動できれば、予期せぬ素敵なセレンディピティが訪れるはずです。




















