2020年の海上貿易9%減。船腹量はギリシャに次ぎ2番目
海運は国際間輸送の外航海運と、国内輸送の内航海運に分けられる。輸送船は、コンテナ船、バラ積み船、タンカー(油送船)、自動車輸送船など積荷により種類がある。旅客と自動車、貨物などを載せるフェリーもある。
国土交通省の海事レポート2021によると、2020年の海上貿易量は、輸出入合計で前年比9.1%減の8億1,565万トン、金額にして同15.2%減の94兆3,623億円と、コロナ禍の影響を受けた。日本海事広報協会によると、日本の船会社が実質保有する船腹量は、ギリシャに次いで2番目だ。
大手3社がコンテナ船事業統合。温室効果ガス排出削減が課題
海運は世界経済や原油価格、為替動向などの影響を受けやすい。特に、定期船であるコンテナ船は主力の北米航路の競争激化などによって収益が悪化。これに対応し、日本の大手3社はコンテナ船事業を統合し、規模拡大によって収益改善を図っている。
海運業界にとって、環境対策も重要だ。国際海事機関(IMO)は、船舶について今世紀中のなるべく早い時期に温室効果ガス排出ゼロを目指す方針を打ち出した。これに伴い、日本も海運や造船など関係団体がプロジェクトを設立。燃費改善や新燃料の利用で、50年までに18年比で燃費80%改善、温室効果ガス50%以上削減する方針だ。
一方、フェリーもコロナ禍の影響を受けた。国交省によると、フェリー大手8社の2020年度の営業収入は、前年度比35.6%減の1,194億円、損益は23億円の赤字となった。