就職課・キャリア支援担当教員インタビュー

Vol.03

メインタイトル
愛国学園短期大学
家政科 講師/管理栄養士
佐藤 清香さん

なぜ愛国学園短期大学は就活に強いのか?
学生の可能性・選択肢を広げる環境

インタビューカット1

創立1962年、家政科単科の愛国学園短期大学には「生活デザイン」「食物栄養」の2つの専攻があります。

「生活デザイン専攻」は大きく自分・家族・社会の幸せをデザイン(企画・創造)できる人材を育てる専攻。具体的な就職先としてはアパレルメーカーなどのファッション業界や、福祉施設や訪問介護員など福祉・介護業界、病院などの医療事務、そしてカフェやレストランなどのフードサービス業界に就職する学生が多くいます。

これだけ幅広い業界からの内定率が高い背景には、興味のある科目を自由に選べるマイ・カリキュラム制があります。生活デザイン専攻では自分の夢や進路にあわせて自由に科目を履修でき、在学中に取得できる資格もファッション分野の各種検定、レストランサービス技能検定、フードコーディネーター、ユニバーサルデザインコーディネーター、介護職員初任者研修、医療事務管理士技能認定試験、秘書技能検定など多岐にわたっています。

一方で、「食物栄養専攻」は栄養士という国家資格の取得を目指す学生が学んでおり、栄養士免許だけでなくフードスペシャリスト、フードコーディネーターやアスリートフードマイスターなどの資格を取る学生が多く、「食のプロフェッショナル」となる人材を育てています。就職先も保育園や学校給食の栄養士、福祉施設、病院、スポーツ関連施設での栄養士、あるいは外食チェーンでのメニュー開発やカフェ・レストランでの調理などが多く、近年は給食受託会社への就職率が高いです。

また管理栄養士を目指す学生も多く、この場合は、本学で栄養士の資格を取得し、就職先で実務経験を積んだ後に管理栄養士の国家試験を受けることになります。文字にすると簡単ですが、卒業後に働きながら勉強を続けることは決して簡単なことではありません。そこで本学では管理栄養士を目指す学生を、卒業後もサポートする「管理栄養士資格取得支援講座」を設けています。

私自身も管理栄養士資格を持って学生に教えていますが、「食」に関する未来の選択肢・就職先はどんどん広がっていると感じています。「将来は行列のできる飲食店を自ら開業したい」と考え入学してくる学生もいますし、「アスリートの食生活をサポートしたい」という具体的な目標を持っている人も少なくありません。今は色々な働き方ができる時代。それに応えられるカリキュラムを用意し、産学官連携プロジェクトやコンテストなど、様々な経験ができる場を本学は用意しています。

入試についても総合型選抜制度を導入し、筆記試験からは見えてこない自己PRやプレゼンテーション能力も評価しています。また総合型選抜Aについては事前エントリー対話型と呼んでおり、教員と対話しながら自分の進路を決めていけるという独自性のある入試制度を実施しています。

全学生の顔と名前が一致、
少人数制だからできるきめ細かな就職支援

ポートレート1

「全教職員が学生を第一に考える」ことが本学のモットーです。キャリア支援についても「キャリア支援室」「授業」「担任」の3本柱で実行しています。「キャリア支援室」は専任の職員が企業紹介・履歴書の書き方や添削・模擬面接などを実施し、「授業」においては「キャリア形成Ⅰ・Ⅱ」の授業を1年生の前学期から開始することで、社会人基礎力と就職活動の基本を学びます。ビジネスマナー、企業研究、履歴書・エントリーシートの書き方、面接対策など就職活動に必要なスキルを網羅した内容を行っています。
そのため、早い段階から就活に取り組む学生が多く、希望する企業からの内々定も早いように思います。また、本学は担任制を敷いており、少人数のクラス制です。学生一人ひとりの顔が見え、全学生の顔と名前が一致する短大であることが本学の大きな特長です。職員、そして学長も例外ではありません。学長と学生が1対1で行う学長面談が2年間で4回もあり、学長が様々な話を直接聞く中で、就職活動に積極的でない学生には、その場で支援室長や副支援室長を呼んで、キャリア支援を行う体制がとれています。

この学生としっかり向き合う体制は、就職率の高さにも大きく影響しています。一人ひとりの希望や相談にじっくりと対応しており、例えば公務員になりたい学生には公務員試験へのサポート、大学への編入を希望する学生には編入学のサポートと、きめ細かな対応を行っています。自らの可能性を広げていけるカリキュラムのため、専門的な学びに興味を持つ学生も現れます。

この「キャリア支援室」「授業」「担任」の3本柱に、もう一つ縁の下の力持ちとして頑張ってくれているのが「卒業生」です。卒業生が自らの経験を学生に直接話す「OGセミナー」を設けており、学生側としては年齢の近い先輩の本音が聞けるというのがメリットです。資格取得の大切さを教職員が説いてもちょっと距離がありますが、年齢がさほど変わらない卒業生が「資格はやっぱり取っておいた方がいいよ。今、取っておかないと後悔するよ。」というと、すごく説得力がありますよね。就活についても卒業生の言葉が響くようで、就活に挑む学生の背中を、先輩たちが上手に押してくれています。

卒業生が転職の相談に来校することも珍しくありません。本学のキャリア支援室の職員が、卒業生の職場での悩みを聞いています。人間関係で躓いていたり、学生気分がなかなか抜けずに仕事そのものをつらいと感じていたり、職場の人には相談しにくい内容を、本学のキャリア支援室で打ち明け、再びモチベーションを取り戻す卒業生は少なくありません。

建学以来培ってきたのは、
AIに取って代わられることのない能力

ポートレート1

AIが様々な領域で台頭し、すでにAIに取って代わられている仕事も出てきています。10年先はさらに顕著になっているでしょう。では、どんな人材なら長く働いていけるのか? その重要な要素となるのが、コミュニケーション能力・人間力・表現力だと思います。本学が企業の人事担当者にアンケートを取ったところ、欲しい人材として「他者への思いやりがある人」「向上心のある人」「誠実で素直な人」という回答が目立ちました。

本学の校訓は「親切正直」。礼儀正しく、仕事に積極的に携わり、秩序を重んじながら、進んで社会に貢献する人材を育てています。これはまさに企業の人事担当者が求めている人物像に合致しており、本学の就職率が高い理由の一つになっているのではないでしょうか。実際にやさしい学生が多く、他人のために何かできることはないかと真剣に考えている人が多いです。その表れとしてボランティア活動に勤しむ人が多く、食物栄養専攻では子ども食堂のお手伝いをしている人がいると聞いています。

表現力・プレゼンテーション能力も、強く求められる時代になっています。特に食品開発やメニュー開発、アパレルメーカーの販売、接客、介護職などはこれらの能力が問われます。本学ではすべての学生に対し、プレゼンテーションを行うチャンスを授業内でたくさん用意しています。また産学官連携プロジェクトによって、地域の小中高生と関わりを持ったり、企業の仕事を手伝ったり、他の短大とコンペで競い合うなど、様々な立場の人と関われる場もたくさんあります。

本学が建学以来力を入れてきた、親切正直で思いやりのある人間を育てること。豊かな表現力を身に付けること。多様な人と交わってコミュニケーション能力を磨くこと。期せずして、今多くの企業が求めている人物像が、本学がこれまで目指してきた社会人像とマッチしているのです。

未来の自分と
出会うための2年間

インタビューカット1

短大生活の2年間はとても短いですが、せっかく与えてもらったこの2年という時間の中で、まずは自分のやりたいことを見つけてもらいたいと思っています。就活の条件という狭い枠の話ではなく、自分の夢をまずは見つけてほしいのです。そして5年先、10年先に自分はどうしているのかを想像して、キャリアプランをしっかり立てていきましょう。そうすると不思議なもので、短大の授業、実習、資格の勉強も、悔いのない充実した時間として頑張れるようになります。

愛国学園短期大学は、自分の可能性を広げられるカリキュラム/プログラムを用意しており、その中から自分のやりたいことを見つけていけます。やりたいことが見つかったら、それを最後までサポートしていく体制が整っており、また、卒業後も見守ってくれる力強い味方であるキャリア支援室があります。学生一人ひとりの状況を、ここまでつぶさに理解し支えてくれる学校は、他には少ないと思います。

本学なら資格取得という目に見える達成感をたくさん得ることもできます。私たちは資格をただ就職に有利なツールだけとは思っていません。社会に出てからの、一つの自信につながるものだと捉えています。

「石の上にも三年」という言葉がありますが、社会に出て積極的にこちらからコミュニケーションを取れば、必ず周りの先輩や上司も応えてくれます。その中でまずは根を張って仕事に向き合ってほしいのです。そういう意味でも本学の学びはきっと有効に役立つと考えています。この先の社会を考えたときに、女性も長く仕事を続けていけることが今以上に求められるのは事実です。しかし、出産や育児などライフイベントに左右されやすいのも本当の話。その点、資格を持っているということは、いつでも仕事に復帰できる強みになります。

長く仕事を続けていくためにも、仕事・企業と自分とのミスマッチを防ぐことが大切で、その対策が自己分析と企業研究。その水先案内人がキャリア支援室であり、毎日授業で顔を合わせる先生たちです。学生と教職員の距離が近く、気軽に世間話をしているのも本学の特徴の一つです。愛国学園短期大学の環境・校風・授業そのものが、就活そして未来の自分にとって有意義な経験の場になっていると思います。

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