専門店(専門店)業界の「現在」と「未来」
家電量販店の販売額、4年連続増。衣料品などは減少続く
経済産業省の商業動態統計によると、2020年の家電大型専門店の販売額は、前年比5.1%増の4兆7,927億円と、4年連続で増加した。営業時間短縮などで来店客は減少したものの、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの生活家電が同7.5%増の2兆896億円、パソコン、同周辺機器などの情報家電が同12.6%増の1兆1,118億円、テレビなどのAV機器が同9.3%増の7,175億円と好調だった。特にテレワークの浸透などにより、情報家電の伸びが目立った。
一方、商業動態統計によると、20年の織物・衣服・身の回り品小売業の販売高は、同16.8%減の8兆6,380億円と、3年連続で減少した。衣料品専門店ではSPA(製造小売り)の事業形態のチェーン店が、低価格ながら高機能品の販売で台頭している。
EC市場の好調続く。多角化、海外展開が課題
家電量販店、衣料品専門店ともネット通販が拡大している。経済産業省の電子商取引(EC)市場調査によると、生活家電、AV機器、パソコン・周辺機器の20年の市場規模は、前年比28.8%増の2兆3,487億円と大幅に増えた。量販店はいち早くEC化に取り組んでおり、店舗販売を補完した。衣類・服装雑貨の市場も同16.3%増の2兆2,203億円となった。外出自粛などで、ネットで購入するケースが増えた。ただ、両業界とも少子化により国内市場は停滞傾向とみられるため、事業の多角化や海外展開の強化が求められる。
家具もネット販売好調。ECとの相性が良い
家具・インテリアや眼鏡、カー用品もチェーン店化が進む。来客減でも、特に生活雑貨、家具、インテリアの20年のEC市場は、前年比22.4%増の2兆1,322億円と好調だ。経産省では、サイズや色に関して詳細なニーズがある家具などは、売り場や在庫の制約がないECとの相性が良いと分析している。