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専門店業界

業界の現状と展望

概ね活況となった専門店業界

家電量販店、ドラッグストア、ホームセンター、カー用品店、衣料品店、雑貨・家具、おもちゃ、眼鏡など、特定ジャンルの商品に特化して販売する専門店。豊富な専門知識と品ぞろえで規模を拡大してきた。
経済産業省の「商業動態統計」によれば、2021年の家電大型量販店の売上は4兆6,824億円。1~4月まではいわゆる巣籠もり消費の影響で前年同月比で2桁近い増加と好調だったが、5月に横ばい、6月以降は需要が一巡したこともあり、前年同月比で2桁減となる月も多く、年間では2.4%減となった。
ドラッグストアの2021年の売上は7兆3,125億円。2~4月は前年同月比で減少したが、その他の月は増加しており、年間でも前年比0.4%増となった。
ホームセンターは、前年の反動もあってか、前年同月比で減少となる月が多く、2021年の売上は前年比2.9%減の3兆3,948億円となった。

家電大型量販店では、テレワークの浸透もあり通信家電が前年比13.1%増、その他(住宅設備家電など)も同9.1%増となった。一方で、AV家電が同6.8%減、情報家電が同5.9%減、生活家電が同3.5%減と前年増加した反動もありマイナスに転じた。店舗数は2,566店から2,633店に増えている

ドラッグストアでは、ヘルスケア用品(衛生用品)・介護・ベビーが前年比7.2%減、OTC医薬品が同2.5%減、家庭用品・日用消耗品・ペット用品が同0.5%減、トイレタリーが横ばいとなった。
ヘルスケア用品(衛生用品)・介護・ベビーや家庭用品・日用消耗品・ペット用品に関しては、それぞれ2020年に前年比26.7%増、同11.6%増と大きく増加しており、その反動があったものと考えられる。調剤医薬品や健康食品、食品、その他は、引き続き好調で、それぞれ前年比で5.2%増、2.0%増、2.3%増、3.9%増。ビューティケア(化粧品・小物)は、2020年に前年比10.4%減となった反動もあり同0.4%増と増加した。店舗数も17,000店から17,622店に増えている。

ホームセンターでは、園芸・エクステリアとペット・ペット用品が、それぞれ前年比2.2%増、同3.0%増となった他は、インテリアが同7.3%減、家庭用品・日用品が同6.8%減、電気が同4.6%減、DIY用具・素材が同0.3%減といった具合にさえなかった。いずれも、2020年に大きく売上を伸ばしており、需要一巡による反動の影響と見られる。店舗数も4,420店から4,377店に減少した。

立地や客層により新型コロナウイルス感染症がプラスに働く場合も

コロナ禍で、専門店業界では、取り扱い商材だけでなく、立地や主要客層などの違いによって、大きく明暗が分かれた。外出自粛の影響が大きい都市部の店舗の業績は厳しく、郊外の店舗の業績が支えるという構図も垣間見えたが、家電量販店業界全体では、テレワークや巣籠もり消費などにより、テレビ、パソコン、家庭用ゲーム機などの需要が拡大。業績を押し上げ、2021年3月期決算では、増収増益の企業が多かった。一方で、2022年3月期については、前期からの反動減もあり、減益を見込む企業が増えている。
ECサイトの強化に加えて、家具やアウトドア用品、雑貨、酒類、食品など、各社はすでに非家電事業での収益確保を図っているが、コロナ後の生き残りをかけて、ビジネスモデルの転換が進みそうだ。

ドラッグストア業界では、調剤医薬品や健康食品、食品、その他は、引き続き好調だった。ヘルスケア用品、家庭用品、日用消耗品は、前年度に大きく伸長したこともあり、増加とはならなかったが、高い売上水準は維持しており、業界全体でも売上を増やした。
こうした状況下で、マツモトキヨシホールディングスとココカラファインは2021年2月26日、経営統合に関する契約を締結。2021年度の決算で、業界2位に躍り出た。業界の上位3社は売上高が1兆円目前で並んでおり、この経営統合をきっかけにさらに競争が激化しそうだ。また、コロナ禍に加え、毎年の薬価改定が待ち構えることで厳しさを増す調剤薬局に関しても、ドラッグストアを含めた再編が注目されている。

ホームセンターは、もともと郊外に店舗を持っていることに加え、日用品の買いだめ需要や、巣ごもり需要で家庭菜園やDIYを始める人が増加。コロナ禍で活況となった業界の一つだ。
ただし、需要は一巡した感があり、引き続きPB(プライベートブランド)商品の強化や、従来とは異なる高級感を打ち出した店舗の展開、海外市場の開拓など、さまざまな工夫は求められている。

業界関連⽤語

ドラッグストアの業界再編

ドラッグストア業界では以前から、大手が中小を合併するケースが多かったが、マツモトキヨシホールディングスとココカラファインの経営統合は、業界大手同士の統合となった。ドラッグストアには、医薬部門に強みを持つ会社もあれば、食品や化粧品を強化している会社もあり様々。引き続き売上上位の企業が群雄割拠状態にあり、中でも上位3社の売上は、2021年度決算で1兆円目前だ。

顧客満足度(CS= Customer Satisfaction)と従業員満足度(ES= Employee Satisfaction)

自社製品やサービスに対して、顧客がどの程度満足しているのかを数値化したのが顧客満足度。かつては生産性や効率を多少犠牲にしても、顧客満足度を高めることがよい結果を生むといわれてきた。
たしかに、業績向上につながるかもしれないが、そのことを意識しすぎると従業員のやる気が下がり、かえって業務効率が悪くなることがある。
そのため、顧客満足度を向上させるためには、まず従業員満足度を向上させなければならないという考え方が一般的になっている。

カテゴリーキラー

ある特定の商品分野(衣類・家電・スポーツ用品・住居用品など)において、圧倒的な品ぞろえと安さを武器に展開する大型専門店のこと。また、カテゴリーキラーを集めたショッピングセンターのことをパワーセンターと呼ぶ。専門性と低価格が特徴で、都市郊外に出店することが多い。アウトレットストアやオフプライスの店を集めた「アウトレットモール」と並んで、新しい業態の商圏として注目されている。

共通ポイントシステム

スーパーや小売店、飲食店、美容室、アミューズメント施設、ドラッグストア、量販店などがそれぞれに発行しているポイントを、業種をまたいでためたり支払いに充てたりすることができるシステム。カルチュア・コンビニエンス・クラブの「Tポイント」、ロイヤリティマーケティングの「Ponta(ポンタ)」、楽天の「楽天スーパーポイント」、NTTドコモの「dポイント」、イオンの「WAON」、セブン&アイ・ホールディングスの「nanaco」などが有名。

調剤併設型ドラッグストア

医薬品や化粧品に限らず、食品、美容用品、健康関連用品、日用品など様々な商品を販売するのがドラッグストア。一方で、医師の処方箋が必要な医療用医薬品(処方薬)を販売するのが調剤薬局。近年は、利便性や集客力の向上を目的に、調剤薬局を店舗内に併設するドラッグストアが増えている。

どんな仕事があるの︖

専門店業界の主な仕事

・営業販売
対面販売を基本とする専門店の「顔」。購入の際の参考になるよう、商品に関する専門知識を顧客に提供する。

・バイヤー
商品の仕入れ・管理を行う。旬の商品を仕入れるための情報感度の高さ、メーカーとの交渉能力が求められる。海外メーカーとの共同開発を手掛けることも。

・店舗開発
集客を左右する新店舗立地の選定、地権者との調整、テナントビルの確保など、店舗展開に関する一切の業務を行う。

・ストアマネージャー
店舗の責任者として、スタッフをまとめたり売上を管理したりするなど、現場のすべてを仕切る。

・スーパーバイザー
店舗を巡回し、よりよい売り場づくりやスタッフ教育など総合的なアドバイスを行う。

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専門店業界の企業情報

※原稿作成期間は2021年12⽉23⽇〜2022年2⽉28⽇です。

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