出版市場は2年連続プラス。 電子出版がけん引
全国出版協会の出版科学研究所によると、2020年の出版市場は前年比4.8%増の1兆6,168億円と、2年連続でプラスとなった。ただ、内訳を見ると明暗は明らか。紙の市場が同1.0%減の1兆2,237億円に対し、電子出版は同28.0%増の3,931億円と伸びた。特に電子コミックが同31.9%増の3,420億円と大幅に増えたことが目立った。活字離れに加え、娯楽や情報収集のネット化が進んでいる。紙の市場の縮小に伴い、全国の書店の数は20年前に比べ半減したという調査もある。
紙の出版でもデジタルを活用する動きがある。講談社、集英社、小学館の大手3社と丸紅は、出版流通の効率化で新会社を設立予定。具体的には、ICタグで在庫、棚卸し情報を管理するほか、AIで配本計画を最適化する情報を3社以外にも提供する。返本率が約4割とされる業界の効率化につなげたい考え。
広告費が9年ぶりマイナス。 ネットは増加が続く
電通グループの調査によると、20年の国内の総広告費は前年比11.2%減の6兆1,594億円と、9年ぶりにマイナスだった。新聞が同18.9%減の3,688億円、テレビが同11.0%減の1兆6,559億円などマスコミ4媒体がそろって減少。半面、ネット広告は同5.9%増の2兆2,290億円。マスコミが外食やレジャーの広告減を中心にダメージを受けた半面、ネットはSNSの普及でデリバリーや通販などの動画広告が拡大した。
ネット広告は個人情報や行動履歴などをベースに、ターゲットを絞った訴求が可能で、効果の測定もしやすく、費用対効果が高いとされ、成長を続けそうだ。ただ個人情報を活用するため、適切な運用が必要。そのため広告関連3団体は21年3月「デジタル広告品質認証機構」を設立。ネット広告業務を適切に行っている事業者を認証して公開する取り組みを始め、信頼性の向上を目指している。