売上金額は約11.6兆円。原料市況、為替に左右されやすい
非鉄金属とは鉄以外の全ての金属を指し、銅、亜鉛、鉛などのベースメタル、チタン、クロム、ニッケル、リチウムなどのレアメタル(希少金属)、金、銀、プラチナなどの貴金属に分類される。総務省・経済産業省の2020年経済構造実態調査によると、非鉄金属の売上金額は、前年比7.2%減の11兆6,220億円だった。海外から原料や地金を輸入し、国内で精錬・精製し、圧延・押出、鋳鍛造などの加工をするため、業界全体として為替や原料の国際市況に左右されやすい。
ベースメタルの自給率100%へ。電線の海外出荷は約1.3兆円
世界的な地球温暖化対策により、電気自動車(EV)や送電設備向けに、特に銅の需要拡大が見込まれる。政府は海外で権益を持つ鉱山開発、リサイクルの推進により、ベースメタルの自給率を現在の50%程度から、100%とすることを目指している。環境省も30年度までにレアメタル回収を倍増する方針を掲げ、海外投資とリサイクルが増えそうだ。
海外展開では電線業界も活発だ。日本電線工業会によると、2021年度の海外現地法人による出荷額は、約1兆4,394億円にのぼる。