ITスキル標準にみるスペシャリストのキャリアパス
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代表的なキャリアパスのモデル
スキルレベルと職種はどのように対応してキャリアパスを描くのでしょうか。これまで、ITの職種に関するキャリアパスは、業界としての指標がなく、各企業において独自に定義されていました。ITスキル標準では、紹介したスキルレベルを基に、代表的なキャリアパスのモデルが示されています。
具体的なステップ
エントリーレベルのレベル1と2は、特定の専門職種が確立しておらず共通となります。例えば、セールスやITスペシャリスト、ソフトウエアデベロップメントなどの見習いとして仕事をこなします。そして、レベル3からは専門分野の確立を目指し、ITやアプリケーションに関するスペシャリスト、ソフトウエアデベロップメントなどの実務経験を積みます。
また、ハイレベルまであるコンサルタントやITアーキテクトには、レベル4以上しかありません。これは、他の職種で経験を積んでレベル4まで達成すれば、職種を転換できるということです。同様に、ハイレベルまであるプロジェクトマネジメントは、小規模なプロジェクトを推進するレベル3から始めることができます。
例えば、将来、コンサルタントを目指す場合、ITスペシャリストから始め、レベル4までスキルアップした後でコンサルタントに転換できます。また、エデュケーションのインストラクター(インストラクション)になる場合も、最初からインストラクターになれるわけではなく、ITスペシャリストとしてレベル3までスキルアップした後、転換できるわけです。
就職する皆さんがまず位置づけられるレベル1の職種では、特定の分野に固定化せず専門分野の基礎知識が共通化されています。つまり、先のキャリアパスを描いていくためには、視野を広げるため幅広い知識の修得を優先し、日頃の業務遂行をしながら専門別のスキルを修得することが重要になるのです。