IoT(Internet of Things)
あらゆるモノがインターネットにつながる社会

IoTとは、世の中のさまざまなモノ(Things)が、インターネットに接続され情報交換によって相互に制御できるようになり、ビジネスや社会が変わることを指す。近年のスマートフォンやGPSセンサーなどの技術革新によって、これまで接続できなかったものがインターネットに容易に接続できるようになっている。
2015年に経済産業省が「IoT推進コンソーシアム」を創設するなど、IoTの普及に力が入れられており、コンシューマー向けでは、以下のようなIoTの事例が登場している。
福祉分野:体に付けたセンサーから健康状態のデータが送信され、専門家のアドバイスを得られる。
物流分野:配送車にセンサーを設置し、エンジンの状態や走行距離、停止回数などを監視する。
輸送分野:スマートフォンのアプリで、居場所の近くにいるタクシーを効率的に予約できる。
流通分野:自動販売機の飲料を交通系ICカードで購入する際に、消費者の属性から商品をレコメンドする。
また、産業分野でも適用が進んでいる。工場における設備保全業務(設備からのセンサー情報を基に、適切な保全時期を設定する)、ビル管理における省エネ効果や防災への適用、農場で土中に設置したセンサーから農作物に水や肥料を与える適切なタイミングを計る、などの事例がある。
技術活用とビジネスモデルのアイデアが成功の鍵
IoTは、さまざまなセンサーによってデータを効率的に収集し、インターネットのクラウドサービスにデータを蓄積する。そして、蓄積された膨大なデータ、いわゆるビッグデータを分析、あるいは、AI(人工知能)によって自動的に解を探索し、機械や人へフィードバックする流れで実現されている。
IoTに取り組むに当たっては、GPSや画像センサー、ジャイロセンサーなどのセンサー技術、ビッグデータの分析技術、AIによる分析技術など、各種技術の活用が必要となる。
また、福祉分野においてIoTを活用したお年寄りや幼児の見守り、環境保全分野においてIoTを活用してCO2使用量や電気使用量を測定するなど、技術だけではなく、社会的な各種課題を解決するためのビジネスモデルのアイデアを出すことが求められる。