SNS
SNSの企業利用が活発化

SNS(Social Networking Service)とは、インターネット上に構築された社会的ネットワークである。同じ出身校や趣味、友達関係を通じてつながり、人間関係を構築するコミュニティー基盤となっている。代表的なものに InstagramやTwitter、TikTok 、Facebookなどがある。
このようなSNSの利用者増に伴い、企業によるビジネスへの利用も活発になってきている。SNSをマーケティングに生かそうと、近年、InstagramやTwitter、Facebookにおける企業の公式アカウントが急増している。
例えば、ある通販会社ではカタログに関する生の声を集めて分析しカタログの改善に活用している。また、ある銀行では金融商品に関する情報を発信し、それに対して返信のあった利用者に対して相談になるなどのコミュニケーションに活用している。
最近では、顧客からクレームが届く前に企業が自ら探し出してコンタクトする「アクティブサポート」が積極的に取り組まれている。従来の対応方法では顧客の声が届きにくく、問題が大きくなって企業のブランドが傷づく可能性もあった。早い段階で顧客が持つ不満の芽を摘めれば、顧客満足度の向上が可能となり、それを今後の商品開発やサービス改善に生かすこともできる。
また、消費者対応としての利用だけではなく、社内の情報共有やアイデア創出にもSNSは活用されている。社内SNSは、同じ目的を持つプロジェクトチームなどが組織の壁を超えてコミュニティーに参加し、一体感をつくり出して情報を伝播したりアイデアを出したりするのに効果的である。
SNSと既存システムとの連携が課題
このように活用が進むSNSであるが、SNSから集めたデータの分析結果を業務に生かしていくためには、顧客管理システムなどとの連携が欠かせない。例えば、ソーシャルメディアで商品の売上に影響力が強い利用者を発見し、顧客管理システムの顧客データと比較して、年齢や趣味などの属性が類似する顧客を抽出してアプローチすれば、効果的な販売促進が可能となる。
最近では、SNSとシステムの組み合わせを支援する製品やサービスが登場している。例えば、SNSへの登録により店舗からクーポンを配布したり会員同士での情報交換を促進したりするなど、特に小売業界や金融業界を中心に活用が広がっている。なお、口コミが伝播しやすいSNSでは下手をすれば企業の信頼が失墜する危険を伴う。対応方法のミスによって顧客の心証を悪くしないよう、ルールの整備が必要となる。