教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

引退して初めて知った広い世界
スポーツと接している仕事しか想像できない
2016年のリオデジャネイロで、4度目の五輪出場となりましたが、結果は初戦敗退。この負けは想像をはるかに超えるつらい経験でした。それから1~2年の間は、リオ以前の状態に戻ってトレーニングを続けている夢を、よく見るほどでした。

リオでの敗退をきっかけに引退を決め、その年の11月に行われた国際フェンシング連盟の理事選挙に立候補して当選しました。また、同月には自分でビジネスを行うための会社も立ち上げました。
「日本のスポーツ界の発展に関わる事業を行いたい」という思いはありつつも、起業当初は 自分のマネジメント業務が中心になってしまいましたね。フェンシング一筋の人生を歩んできたので、自分のいる業界と隣接しているところくらいしか知識がなく、ビジネスにおける明確なビジョンが見出せなかったのです。
自分にバリューがあるうちに多くの人と会う
ビジネスの予備知識がないまま起業してしまいましたが、次第に多くの人と会うようになって、その人たちの助けを借りながら、少しずつ自分の得意な分野が見えてきたり、思いが形になったりしていきました。
2017年には日本フェンシング協会の理事に就任し、まもなく同協会会長になりました。これまでのように選手の立場ではなく、スポーツビジネスという視点に立ち、フェンシングの大会を「見に行きたい!」と思ってもらえるものにするために奔走しました。

このとき思ったのは、ビジネスにおいては初心者でも、引退直後でメダリストとしてのバリューがあるうちに積極的に動けば、人が会ってくれるということです。これにより多くの助けを得られました。そしていろいろな考えに触れたり、多くの人と縁をつないでいただけたりと、ビジネスの幅が広がりました。
人との交流は必ず手土産を持っていく
いざフェンシング界の改革や五輪の招致のために動き出してみると、競技をしていたときとは全く違う人との交流が増えました。
僕は人に会う機会をもらえたときには、必ず手土産を持っていくよう心掛けています。ここで言う手土産とは、贈り物やお菓子などのことではありません。相手が少し興味を持っているけれど詳しくは知らない話や、相手が自分に対して期待している話題を提供することです。
これを就職活動のシーンに置き換えてみましょう。多くの企業が新卒の学生に期待しているのは、学業における優秀さや知識の優位性よりも、むしろフレッシュさや空回りするほどの熱意ではないでしょうか。僕はそういうものを面接などで表現するのが大切だと思います。

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面接対策の極意「だから」と「なのに」を使って自己PR
もう1つ、人と会うときのアドバイスとして、相手に自分の強みを伝えるコミュニケーションのテクニックをお伝えします。それは会話の中で相手に「だから」と「なのに」という気持ちを感じさせる方法です。
例えば、会話の中にスポーツ競技者ならではの内容を盛り込むことで、「アスリート“だから”体の使い方に詳しい」と説得力を感じてもらえます。一方、経済や社会情勢に関する情報を盛り込むことで「アスリート“なのに”ビジネスに詳しい」といった意外性を相手に与えられます。
この2つの軸を持って話をすることで、相手に興味を抱いてもらいながら、自分の強みを伝えられます。これは学生の皆さんにとっても、ぜひ意識してほしいポイントです。
知っておきたい
就活情報
自己PR動画が増えている
近年、エントリーシートなどの書類に加えて、自己PR動画の提出を課す企業が増えている。企業は文字や写真だけでは伝わらない応募者の「人となり」を、動画も加味することで判断しようとしている。面接と合わせて、自己PR動画や動画選考のための対策も行っていこう。
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