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教えて! 「仕事」と「スポーツ」の関係 教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

自分の「好き」をひもとけば適職が見つかる

フィギュアスケーターとして、世界一美しいとも称されたドーナツスピンや、トリプルアクセルで多くのファンを魅了してきた中野友加里さん。引退後はプロスケーターや指導者、振付師の道ではなく、一般の学生に混ざり就職活動をしてテレビ局に就職。一線で活躍してきたアスリートの中でも異色の経歴を持つ中野さんが、いかにして仕事探しをし、内定を勝ち取ったのかを教えてもらいました。

導入マンガ
中野さん 写真

中野 友加里さん

Yukari Nakano

フィギュアスケート/元フィギュアスケート選手

ケガをして初めて体力の低下を受け入れられた

大学3年生になったころ、今まで一緒にスケートを続けてきた仲間がどんどん就職活動を始め、やがて就職していくのを見てとてもさみしい気持ちになりました。同時に、自分だけ置いていかれているのでは…? という焦りもありました。ともにスケートをしてきた仲間が周囲から離れていく中で、自分一人で頑張るというのはとても大変なことでした。

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また、この時期は、ケガが度重なるタイミングでもありました。コーチから「20歳くらいから体力が低下する」と言われ、ケガのリスクも高くなっていたのだろうと思いますが、私の感情としてはきちんと、その言葉を受け入れてなかったんです。ですが、21歳のときに股関節の大きなケガをして初めて、コーチの言葉を素直に受け止められたのです。それから「引退」という言葉が徐々に現実味を帯びていきました。

劣化する自分を見られたくない

私自身は才能に恵まれていたわけではないので、「人一倍努力をすることでほかのみんなと同じ土俵に立てる」と思っていました。ですから、誰よりも練習したいのに、ケガのせいでその練習ができない、すると結果がさらに出なくなる…。そんな負のスパイラルに陥りました。

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そんな中で、一番いいときの自分を思い返し、そのときの自分をもう超えられないということに気づいたのです。そして、どんどん「これ以上劣化する自分を見られたくない」「きれいな演技をする姿を覚えておいてもらいたい」という思いの方が強くなりました。これが引退を決意した決定的な理由です。

引退後も、スケート靴を履き続けるにはプロスケーターへの転向か指導者、もしくは振付師になるという決して広いとは言えない選択肢しかありません。私は以前から自分の芯になるものを見つけ、自分の力で自分の人生を歩いていきたいという思いがあったので、スケート以外の次のステージへ進むことを考え始めました。

テレビ番組作りに携わりたいという思いへの変化

スケート以外の道に進むにあたり、以前から漠然と考えていたことをより気にするようになりました。それは20年以上スケート中心の生活だったので「私は社会のことを知らなすぎる」ということです。いくら机上で勉強したとしても社会に飛び込まないとわからないことがたくさんあるし、いつまでも親に頼っているのではなく、生活の基盤を自分で作らなくてはいけないという思いが強くなっていったのです。

そこでふと思い出したのが子どものころ、テレビが大好きだったことです。朝起きれば、まずテレビをつけていましたし、試合でどんなに疲れていても大好きなアニメは見逃しませんでした。テレビが私の生活においてとても重要な位置を占めていたことに気付き、競技を引退したらテレビ番組を作る人になりたい、テレビ局で働きたいという思いに至りました。

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「現在」の自分の興味や関係性だけで好きなことを探して、しかも就職活動に結びつけようと思うとなかなか当てはまるものが見つからない人もいると思います。そんなときはぜひ、子どものころ、自分は何が好きだったのかを掘り下げていくといいと思います。

例えば、アニメが好き、駄菓子が好き、きのこが好き…(笑)でも、なんでもいいです。次にそこにつながる仕事を探してみると、こんな会社に行きたいな、こんな仕事もあるんだと仕事選びのヒントが見えてきます。


「好きなもの」「気になるもの」から発想できる仕事の例

子どものころ好きだったものから業界・仕事を見つける

  • メイクが好き
    化粧品会社、メイク道具を作る会社、ヘアメイクアーティスト など
  • ゲームが好き
    ゲーム制作会社、ゲームプランナー、ゲームクリエイター など
  • アニメが好き
    アニメ制作会社、テレビ局、映画会社、声優、声優のマネジメント など
  • お菓子が好き
    製菓会社、洋・和菓子店、食品流通会社、製菓学校や教室のインストラクター など

仕事探し=自分の好きなこと探し

私は、自分に向いているか向いていないか、ではなくやりたいかやりたくないかという基準で就職先をテレビ局に絞りました。仕事探しを考えたとき、自分が今持っている能力にあったものを探すよりも、好きなことを仕事にできることが幸せだと感じたからです。

私はテレビ以外にも、お化粧をすることが好きだったので化粧品会社なども調べていましたが、テレビへの興味の方が強かったのでテレビ局1本に絞りました。数あるテレビ局の中でフジテレビを選んだのは、私の得意としたドーナツスピンを真上から撮るスパイダーカメラをフィギュアスケートの中継にいち早く取り入れたり、テレビ画面を6分割して選手を紹介したりするなど、常に新しいことにチャレンジする企業姿勢を選手の立場から感じていたからです。そうした企業での仕事に私も尽力したいと思いました。


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ワンポイントアドバイス

好きなこと探しは自己分析の大切なプロセス

興味のあること、能力が生かせそうなこと、価値観に沿うものを知っておくことは大切。自分の好きなものを理解しておくのは、自己分析を行ううえで大きな手がかりになる。

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