【体育会系学生の皆さんが企業情報を正しく受信するための大切なお知らせ】

教えて! 「仕事」と「スポーツ」の関係 教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

可能性がある限り
挑戦する気持ちを持ち続けよう

高校2年生のときに、乗っていたバイクで脚を失う大事故にあった山本篤さん。その後に出会った義足の「格好よさ」にひかれ、義肢装具の専門学校へ進学。ここで陸上競技用義足を初めて履き、普段の義足では得られない跳ねる感覚にすっかり魅了されたそうです。知人の勧めもあって陸上の短距離走を始め、専門学校卒業後には学びながら陸上をしたい気持ちが大きくなり、体育大学へ進学を決断。卒業後は自動車メーカーのスズキ株式会社に入社。社会人選手として9年間活動した後にプロ宣言。さまざまな環境の変化の局面で、自分の将来をどう考え、それを実現するためにどのような仕事観を持ってきたのか、山本さんに伺いました。


導入マンガ
山本さん 写真

山本 篤さん

Atsushi Yamamoto

陸上競技/元パラ陸上競技選手

義足を知りたい好奇心が人のためにもなる気付き

高校時代にバイク事故で脚を失い、将来どうなりたいかを考えたとき、それまで何気なく目に触れてきた義足の格好よさに気づきました。そして義足には100種類以上もの種類があることを知り、もっと詳しくなりたいという純粋な思いで義肢装具の専門学校へと進学を決めたのです。

やがて、義足を使用する人の気持ちがわかる自分だからこそ、同じ境遇の人の役にも立てるのではないかという思いが生まれてきました。義足の勉強を続けることで、新たな視点や発見といった変化はありましたが「義足の格好よさをもっと知りたい」「他の人に伝えたい」という根底にある考え方がぶれることはなかったので、とても充実した学校生活を送れましたし、当時は何の迷いもなく将来は義肢装具士になると思っていました。

山本さん 写真

目指したのは科学的根拠に基づいたトレーニング

実は専門学校に入学する前に、自分が使っている義足を製作するメーカーから「月々5万円の学費のサポートをするので、卒業後は当社で働いてみてはどうか?」という提案をいただきました。両親の経済的負担は減るし、何よりも自分としては義足のことを知りたい欲があったので、ありがたい気持ちでこの話を受けたのです。

ところがその就職を前に、義足メーカーへの就職を辞退して大学進学に進路を変更しました。きっかけは、専門学校在学中に陸上競技用の義足をつけて走る経験をしたことです。その際に、今までに体感したことのない軽やかに走れる感覚を味わい、それを見ていた知人の勧めで陸上の短距離走を始めることになりました。陸上競技を続けるうちに、さらに競技を突き詰めたい、そして科学的根拠に基づいて学び、もっと記録を伸ばしたいという気持ちが強くなっていきました。

僕の行動の根源はいつも「知りたい」「突き詰めたい」「速くなりたい」という好奇心です。こうした好奇心があるからこそ、次に考えるのはそのためにはどうしたらいいのかということです。こんな風にいつも自分が進むべき道を決めています。

科学的トレーニングができる環境を求めて

専門学校に通っていたころは、自己流のトレーニングでいつも同じメニューをこなしていました。ですが、大学の陸上部に所属してスポーツバイオメカニクス専門の教授の元で、専門的なトレーニングを積むと、すぐに結果が出始めたんです。どんどん記録が更新されていくのが楽しかったですね。そして短距離(100m)だけでなく、跳躍力を買われて走り幅跳びへの取り組みも始めました。

大学卒業後は、自動車メーカーのスズキ株式会社に就職。スズキの社員として日中は働きながら夕方からは母校の大阪体育大学へ行き、大学生とともにトレーニングをする生活でした。入社時には「科学的なトレーニングの元で、記録を向上させたいので練習拠点は母校にしたい」という意向をはっきりと会社に伝え、了承してもらうことでこの練習スタイルを得ることができました。

どんなことでも相手を説得するには、自分がなぜそうしたいのか、そう考えるのかを相手に理解してもらう必要があります。学生の皆さんであれば、企業の面接もそうですし、就職して社会に出れば、余計にそういう場面が増えてきます。日頃から自分の考え方を言葉にするトレーニングをしておくといいと思います。


面接で志望動機に説得力を持たせるポイント

  • 1

    志望動機を一言で表現してみる

    面接を受ける会社のどういった部分が自分の考え方や価値観と合致しているのかが、明確に伝わりやすい。例えば「グローバルな視野と事業展開」「環境保護への取り組み」など、自分の考えを長々と説明するのではなく、短い言葉で表現できるように用意しておく。

  • 2

    志望する端的な理由を考える

    なぜ(1)の点を志望動機にしたのかの理由を考える。過去の自分の経験と、業界やその企業との関連性を交えた理由を伝えられれば面接官を説得しやすい。

  • 3

    入社後、どうなりたいかを具体的に言葉にする

    志望動機を踏まえたうえで、入社後はどのような活躍をしていきたいのか、またどうなりたいのかを言語化する。


ワンポイントアドバイス

自分の考えや思いを明確にしよう

自己PRや面接では、自分の思いや目標を明確に伝えることが大事です。またそれらを裏付けできる経験などで厚みを持たせて一貫性のある志望動機を考えてみよう。


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自己PR、ガクチカ、志望動機を深めるコツ

前例のない社会人と学生の二刀流

スズキ在籍時に、セカンドキャリアとして指導者の道も模索したいため、大学院へ通いたいと会社に相談しました。前例がないという理由で反対はされたものの、会社には迷惑をかけない、また競技での成績を向上させるという約束で大学院へ行く許可が下りたのです。

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僕自身の性格で、「これはダメ」と言われると、かえってやりたくなってしまうんです(笑)。

そういうときこそ、自分の意思を通すために、会社を説得するにはどうしたらいいのかと考えるようにしていました。自分がやりたいことを遂行すると、どんな自分になれるのか、それは相手にとってどんなメリットになるのかといったことを、他者が納得するように説明しようとしました。


ワンポイントアドバイス

短所は長所に変わる

競技力向上のために目標を立て、弱点克服に取り組む習慣のためか、体育会系の学生は、どうしても自分の短所に目が行きがちなようです。ただ、視点を変えると短所は長所として言い換えることができます(例:神経質→きちょうめん、頑固→芯が強いなど)。

短所から長所の言い換えができるようになると、さまざまな業界や企業の特徴に合わせて自己PRを行えるようになります。また、物事をポジティブにとらえる前向きな考え方も身につけることができるでしょう。


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長所短所診断

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