【体育会系学生の皆さんが企業情報を正しく受信するための大切なお知らせ】

教えて! 「仕事」と「スポーツ」の関係 教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

人生を大きく変える決断には
挑戦がつきもの

会社を退社してプロ宣言をする


山本さん 写真

スズキ株式会社で働き、会社が支援するスズキアスリートクラブに所属しながら、練習自体は母校で行うというスタイルで9年間競技を続けましたが2017年に退社してプロ宣言をしました。

その理由は2つありました。
1つは障がい者でもスポーツができるということをもっと多くの人に伝えるための活動をしたかったことです。

企業に所属しながら競技をすれば、競技引退後も会社員として働き続けられる可能性が高く、経済的には安定していたでしょう。

ただし会社の一員である以上、自分の行動においては常に企業の考え方や判断と照らし合わせなくてはいけません。例えば、大きな試合の前にはインタビューやイベントなどの仕事の依頼が入るのですが、当時はそれらを引き受けないことも多かったのです。しかし、僕としては障がい者スポーツをもっと広めたいという思いがあり、それを体現できる活動をもっと行っていきたかったのです。

プロ宣言はある意味、経済的安定を手放すことになったのかもしれませんが「自分はこうしていくべき」という信念があるなら、「もし失敗したら…」とは考えずに、まずはやってみることが大切だと思っています。


ワンポイントアドバイス

体育会系ならではの「行動力」を魅力的に伝えよう

行動力の高さは、競技力の向上のために常に試行錯誤してきた体育会系の学生の強みの1つ。チームの意識を変えたこと、目標達成のために自ら行ったこと、改善策を提案して成績に結びつけたことなど、競技をするうえで自分が行動したことによって良い方向に変化した経験を自己PRやガクチカなどで伝えてみよう。

可能性がゼロではないからスノーボードにも挑戦

プロ宣言をした理由の2つ目は、常に挑戦したいということです。
具体的に言うと、それは陸上競技に加えて、冬季種目であるスノーボードでのパラ五輪出場を目指したかったからです。

冬季大会出場への挑戦は2014年ソチ大会の前から思い描くようになりました。新種目としてスノーボードクロスが入ったことがきっかけです。ソチ大会の翌年、2015年には国内にも障害者スノーボード協会が設立され、さらに翌シーズンには日本障害者スキー連盟の中にスノーボード委員会が設置されました。そこで、自分も強化選手になれるかどうかを協会に問い合わせてみたのです。

すると「可能性はゼロではない」という回答がありました。あくまでも可能性としての話でしたし、陸上競技を続けながらの挑戦は、ケガのリスクも伴うものです。でも、挑戦せずにはいられませんでした。

できるかどうか、成功するかどうかではなく、やりたいかどうかを自分自身に問いかけ、可能性がある限りチャレンジする。この思いは今も昔も変わりません。もしも、失敗したらやめればいい、それだけのことですから(笑)。


ワンポイントアドバイス

就活は大きなチャレンジの場

就職活動は体育会系の学生だけでなく、すべての学生にとって初めてのことが多く、戸惑ったり、選考に落ちた際は落ち込んだりすることもあるでしょう。ですが、就職活動は自分の未来をつくるための大きなチャンスの場でもあります。また、挑戦しない限り、結果はついてきません。自分は目に見える結果を残していない…、自分の大学から選考に受かった人がいない…などの「やらない理由」を探すのはやめて、正直な気持ちで企業と向き合い積極的にチャレンジしてみましょう!

異種競技を続けることで生まれた効果

スノーボードへの挑戦を決意したとはいえ、別に陸上の短距離とスノーボードの競技に親和性があった訳ではありません。むしろ対照的ともいえるものです。

山本さん 写真

陸上の短距離は着地時に得られるエネルギーを爆発させるように推進力に変えて前へ進むのに対して、スノーボードは足を踏ん張った位置で耐えるように体を使います。この2つの競技は力の使い方が真逆。

そのためスノーボードのシーズンを終えてから陸上競技のシーズンに入ると、体の使い方やエネルギーの出力がうまく合いません。こうした体の使い方のスイッチを切り替えるために、大学時代に学んだトレーニング論を活用してスピード練習と持久系の練習を組み合わせることで調整していきました。

そうした工夫を続ける中で、陸上で鍛えたバランス感覚やパワーはスノーボードにとっても共通したメリットをもたらしてくれることにも気付きました。そうした気付きを得てからは、スノーボードの上達が手に取るように分かりました。異種競技をすることは大変ですが、1つの競技をしていただけでは見えないものが見えることもあり、視野を広げるきっかけになったと思います。

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