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教えて! 「仕事」と「スポーツ」の関係 教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

スポーツの特性を社会で役立つ力に変換しよう!

体操を始めて30年。そのうちの半分は日本代表として第一線で活躍してきた内村航平さん。現役を引退し、体操との関わり方が変化した今、改めて体操を通してどのような強みを培ってきたのか、スポーツを通して得た強みは就職活動をするうえでどう生かせるのかについて聞きました。

導入マンガ
内村さん 写真

内村 航平さん

Kohei Uchimura

体操/元プロ体操競技選手

競技を続ける中で諦めない気持ちが育つ

僕も大学4年生までスポーツを続けていく中で、就職活動の時期に差し掛かったとき「スポーツ以外、何もしてこなかった」「ほかにできることがない」と焦ったり悩んだりしているチームメートを多く見てきました。

大学までスポーツを続けていることは、ただ楽しくて好きというだけではないと思うんですよね。チームや自分が勝つために、とてつもない時間と労力を費やしているわけです。競技しているスポーツが何であっても、覚悟があり、とにかく諦めない気持ちの強さを持っているのは共通しているんじゃないでしょうか。僕自身も、絶対に諦めない気持ちと、つらいことがあっても平然とできる自信がありますから。

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実は現役時代の2011年に、世界選手権という大切な試合を前にして38度の熱が出たことがあったんです。当然体はきつい。でもこの状況でも完璧に演技ができたら、本番の試合はもっと楽なはずと思って練習を続けて、結果として試合で優勝することができました。

諦めない気持ちは、ネガティブな状況をも自分のために生かせるんです。

なりたい自分をしっかり持つことがモチベーションの源

諦めない気持ちはただやみくもに練習をするだけでは続かないし、意味がないと思っています。就職活動でもそうですよね。きっと、ただただ数多く企業を受け続ければいいというものではありませんよね。

僕が諦めずに、つらいことも平然とできたのは、大前提として世界一の選手になりたいという「なりたい自分」のイメージをしっかり持ち、それがぶれなかったからです。僕の目標は五輪で金メダルを取ること、これに尽きます。こうした自分の理想の姿が具体的になってくると、今何をやるべきかが見えてきますし、諦めずに続けるモチベーションになります。

なりたい自分の姿を書き出した事例

自分の夢と自己分析

  • 今の夢は?
    スポーツと関連した業界に就職して、もっとスポーツの良さを広めたい!
  • 夢をかなえるために、今の自分に足りないことは?
    コミュニケーション能力、分析力
  • 取りたい資格やスキルは?
    スポーツトレーナーに必要な資格、語学力
  • これからも伸ばしたい強みは?
    部活で培った忍耐力と継続力
  • これから改善したい弱みは?
    集中力が持続しないこと。また、時間管理が下手で短時間で効率的に作業をこなせないこと
  • 自分が大事にしていることは?
    趣味やスポーツを楽しむ時間
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1日1日の積み重ねが結果につながることを知っている

「五輪での金メダル」、この目標だけを漠然と掲げていても気持ちは継続しません。では自分の理想を実現させるためにどうしたのか、というと実はとてもシンプル。毎日、どれだけ真剣に競技に向き合えたか、それだけです。そのためにしていたのは、大きな目標に向かって日々何をすべきかを考えることでした。結局、理想の実現の道のりは1日1日の積み重ねでしかないんです。

通常、体操のシーズンは4月からなので、年明けにはプログラムを決めて精度を上げていくのがスタンダードな時間の使い方です。でも、僕はロンドン五輪で金メダルを取った後、すぐに次のリオ五輪のプログラムを決めて、練習しました。いつまでにどの課題をクリアするかということを決めていれば、今どれくらい準備が足りていないのかに気づき、修正することができます。

これによって日々の練習の質が上がり、理想に近づくことができるのです。目標から逆算すれば、日々やることが明確になり、スケジュールの管理が綿密になるからこそ、諦めない気持ちを継続できるのだと思っています。目標に向かう道筋は、スポーツにしても就活にしても同じなんじゃないかな。自分が納得いく準備ができていれば自信を持って臨めますからね。

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企業の採用活動が本格化する3月から逆算して、業界研究・企業研究やインターンシップ&キャリアへの参加などしっかり準備しておこう! 学校行事や部活の予定を考慮するのも忘れずに!

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状況や人の反応に一喜一憂しない

日々の練習の精度を上げるためにもう一つ大切なことは、常に本番を想定することです。僕の場合は、練習と本番の最大の違いは観客がいるかいないかでした。体操は一人で競技に臨むので、観客がいる環境の中で感情のコントロールができるかできないかはとても重要なことです。成功でも失敗でも、その度に一喜一憂していたら次の演技のパフォーマンスに影響が出てしまいます。

また日本代表として出場する場合は、自分の調子の良し悪しにかかわらずインタビューを受ける責任がありました。ここでも、感情のコントロールができないと見てくれている人を不快にさせてしまうかもしれません。

本番を意識して練習を重ね、日々の練習が充実してくると、ピーキング(※)をわざわざしなくても、毎日ピーキングしていることになります。失敗したときの感情のコントロールの仕方も身につきます。常に平常心で練習にも本番にも取り組むことができれば、自信にもつながり、緊張してパフォーマンスを出し切れないことが減ります。

自分のパフォーマンスが出せれば、競技の中で多少の失敗があっても一喜一憂しなくなるのです。このように本番を想定して考える習慣は体操競技で育まれました。

就活での面接も同じことが言えると思うんですよね。まずどんな仕事に就きたいのかを考え、その仕事に就くためにいつ何をするかのスケジュールを組み立ててみます。そのうえで、教員や友達と、本番を想定した模擬面接をする。友達相手でも、自分のことを全く知らない、どこかの企業の方だと思って臨むと、どうすれば自分の強みが伝わるのか、受け答えが失敗したときのコントロール方法などとことん考えるので、本番でも自信を持って臨めるはず。こういう気持ちのコントロールはスポーツと真摯に向き合ってきた人は強いと思います。

※ピーキング…大会など重要な試合に向けてコンディションを最高の状態に持っていくこと。

体育会系の強み

諦めない力

どんなにつらい状況でも、目標が明確であれば諦めない気持ちを継続できる

計画する力

本番で最大限の力を発揮するために、いつ何をすればピークを合わせられるのかをスケジューリングすることができる

感情のキープ力

周りの状況や、自分のパフォーマンスに一喜一憂せず、感情に振り回されず平常心を保つことができる

ワンポイントアドバイス

常に本番を想定すること

面接や筆記試験など、準備段階だから「失敗してもいいや」ではなく、常に本命の企業だと思って準備すること!

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