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教えて! 「仕事」と「スポーツ」の関係 教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

「体育会系の強み」はどう生かせるか

続けてきたスポーツの特性を変換することで自分の価値が上がる

スポーツを続けてきた強みは、試合や大会での結果が全てではありません。その過程でいろいろな考え方が自然と身についていると思うんです。体操であれば個人競技なので、技がうまくいかないと、一人でとことん考え、失敗した理由を突き詰め、これだったらうまくいくのでは、と仮説を立てて、ようやく行動に移します。この地道に考える作業を繰り返してこそ、技に磨きがかかります。

例えば僕は総合種目として6種目に取り組んでいたのですが、あるとき「あん馬」がうまくいかず落下を繰り返してしまう時期がありました。その理由を何度も何度も自分の動画を見ながら考え、ある一つの理由に気づいたのです。それはペースがうまく作れていないことでした。それからはペースを変えて演技をしたらうまくいくのでは、という仮説に基づいて、それを実行し、結果、うまくいくようになりました。

うまくいかない演技や技を身につけるために、いきなりあれこれと体を動かして試してもうまくいかないことが多いです。回数を重ねて実践して身につけていくのは、熟考してからの作業だと捉えています。

こうやって、自分一人で失敗した理由を考えてうまくいくための仮説を立て、成功にたどり着く考え方は個人競技である体操の特性かもしれませんが、こうした競技の特性を社会で役立つ力に変換していく作業はとても大切なものだと考えています。これは自分を知るうえでも不可欠なものですし、その結果として得られる気づきは体育会系学生にとって最大の強みになるのではないでしょうか。

サッカーやバレーボールといったチームスポーツであれば、ほかの選手の特徴を把握する力や協調性などが身についているはずですし、これもスポーツを本気で続けてきたからこそ、得られるものだと思います。

スポーツの特性を変換する

役割別の強み

  • 個人スポーツ
    ・自分一人で目標達成に向けて努力できる
    ・ライバルに負けないハングリー精神
  • チームスポーツ
    ・集団の中で役割を見つけて行動できる
    ・協調性、コミュニケーション能力が高い
  • チームスタッフ
    (マネージャーなど)
    ・組織全体に目を配りサポートできる
    ・役職の違うさまざまな人と、連携やコミュニケーションができる
  • 体育会系共通
    ・責任感がある、やると決めたことは最後までやり通す
    ・目標に向かって計画的に行動できる
内村さん 写真

講演会の資料作りは技を完成させるときと同じプロセス

体操の技を完成させるために、考えて仮説を立てて実行するプロセスは、引退後も非常に役に立っています。

今は競技から離れ、講演会などでいろいろなお話をする機会が増えました。現役の頃は、イベントなどでコメントを求められて話すことはあっても、自分一人で自分のことを他人にお話しすることはありませんでした。そのためPCのアプリケーションを使って資料を作り、友人の前でオンライン模擬講演会をすることから始めました。すると、1時間の想定で作ったはずなのに20分で話が終わってしまって…。

自分のことだから簡単に話せると思っていましたが、これが案外難しいのです。こうした経験を経ながら、「講演会のテーマは相手に伝わっているのか」「何が足りないのか」など、とことん考え、話すスピードも改善して、本番では余裕を持って講演することができました。



面接がなかなかうまくいかない場合を例にした改善プロセス

  • 1

    原因を考える

    例:企業の求める人物像と合っていないと判断された?

  • 2

    仮説を立てる

    例:すごく緊張してしまった? ダラダラ話してしまってわかりにくかった?

  • 3

    改善する

    例:友達と模擬面接をして意見を聞いてみる。面接練習を録音して聞き返してみる。問いに対する自分の受け答えの時間を計ってみる

もう一人の自分がいることを意識する

体操をしているとき、僕は常にもう一人の自分の存在を意識していました。これを意識するようになった時期は小学生のときまでさかのぼります。消しゴムをくるくる回しながら、こう回転したら顔の向きはこうなる、するとこう着地できるといったように、消しゴムを自分に見立てて技を考えていました。演技を繰り返ししているだけではわからないことが、もう一人の自分からだと見えることがあったのです。もう一人の自分が自分を観察すると見える世界が広がるのです。

僕が感じるもう一人の自分は常に自分に厳しく接してきます。技がうまくいっても「これで満足するな!」、熱が出たときには「え? 熱くらいで練習しないの?」と問いかける自分がいるのです。初めて講演会をするために準備をしたときも、「この内容で聞き手に伝わっているの?」とだめ出しをするもう一人の自分がいました。

こうしてもう一人の自分からの問いに答えることで、体操の技にしても、講演の内容にしても確実に精度が上がっていくのです。ぜひ皆さんも、「この受け答えでいいのか?」「今の自己PRでいいのか?」と今一度、もう一人の自分から自分に問いかけてほしいですね。

内村さん 写真

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