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教えて! 「仕事」と「スポーツ」の関係 教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

体育会系学生へのメッセージ

「スポーツしかやってこなかった」は最大の強み

僕自身も、僕の周りも含めて、体育会系の学生が口をそろえて言うのが「これしかやってこなかった」ということです。つまりほかの学生たちが、ゼミ活動やアルバイトなどいろいろな経験を積んでいる間、自分たちはスポーツしかしてこなかったという負い目を、就職活動というフィールドに移ったときに感じてしまうのです。ただそれは裏を返すと、誰よりも一つのことに打ち込んだということ。それは決して欠点ではなく、最大の強みなのです。誰もが経験していることではありませんし、誰にでもできることではありませんから。

自分では気付かなかったり、もの足りなく感じたりする事柄も、他者から見れば十分強みだと思えることもあるのではないでしょうか。

就活を終えた母校の後輩がこんなことを言っていました。「体操しかしてこなかったから、どんなことも諦めない自信はあります。少し対応の難しい人とも諦めずに向き合う自信があるので、接客業は案外自分に向いていると思っています。それに、体操以外の世界を見てみたいんです。だから僕はホテル業界に就職を決めました」と…。彼にはスポーツを続けてきた強みを最大限に生かしているな、と感心させられました。



自分の視点だけでなく、他者の視点を参考にする「他己分析」のメリット

  • 1

    自分だけの考えでは客観的に考えるのも限界がある

    自己分析はなるべく客観的に自分を見ることが大切ですが、
    どうしても自分の感情が強くなってしまうことも。

  • 2

    他人からは見えていない自分の長所や短所が具体的にわかる

    第三者という客観的な立場から長所や短所を指摘してもらうことで、
    自己分析の客観性・信頼性が増します。

  • 3

    弱点克服のヒントになることも

    長所として挙げてもらったことは自分自身の信頼になりますし、
    短所もまた見方によっては長所になります。

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一途に本気で取り組んだことは広がる

今は母校で体操をしていますが、これはあくまでも体の維持のためです。2022年3月に引退したときは、これからどうしていけばよいだろうと考えました。何十年も体操の世界で生きてきて、結果と向き合ってきたからこそ、一番輝いている自分が過去になっていくことに戸惑いを感じました。でも、どんなに輝かしい成績を収めてもそれは永遠ではありません。始まりがあれば終わりがあるのです。

ただ、何よりも本気で、一途に体操をしてきたという自負があります。そのおかげで、引退後も学生や社会人を対象に講演する機会をいただいたり、体操協会の一員として迎えてもらったりと仕事が広がっています。これはむしろ体操しかやってこなかった、それだけ一途に体操に向き合った結果であり、だからこそ引退後の活動に広がりを生んだのだと思います。

学生のときはただただ勝負にこだわっていましたが、日本代表になった頃には勝つことに加えて体操を広めることにも目を向け始めました。そして今はどうしたら体操を広められるか、それを日々考えています。

内村さん 写真

自分を信じてほしい

スポーツしかしてこなかった=(イコール)競技に真摯に向き合ってきたということです。そのスポーツで業績を上げたかどうかだけではありません。諦めない気持ちも育まれるし、どうしたらうまくなれるのか、強くなれるのか、タイムを上げられるのか、記録を伸ばせるのかを考える作業を繰り返ししていることになります。そのことは自分にしかない強みであるはずです。

就職を機に競技を離れる方もいるでしょう。ただ、競技を離れるからといって自分の価値が下がるわけではありません。ぜひスポーツで頑張ってきた自分を信じてほしいし、信じることをやめないでほしいなと思います。

PROFILE

内村航平(うちむら こうへい)
1989年生まれ、長崎県出身。3歳で体操を始め、日本体育大学などで練習を積み、2008年19歳で北京五輪の代表に選ばれ、団体と個人総合で銀メダルを取得。その後、2012年ロンドン五輪、2016年リオデジャネイロ五輪、2020年東京五輪に連続で出場し、個人総合2連覇を含む7個のメダル(金メダル3個、銀メダル4個)を取得。また、世界体操競技選手権でも個人総合での世界最多の6連覇を含む21個のメダル(金メダル10個、銀メダル6個、銅メダル5個)を獲得している。国内大会ではNHK杯個人総合10連覇、全日本選手権個人総合でも10連覇を達成。2022年3月に引退。

マンガ

今回の教訓

「スポーツしかしてこなかった」「自分の強みが見つからない」という人も大丈夫。内村さんのお話をもとに、自分を客観視して考えてみよう。

  • 1

    競技の特性を社会でどう生かせるのか変換する

    試合や大会の結果が全てではない。競技で身についたいろいろな考え方に気付こう

  • 2

    目標から逆算して練習を積み重ねる

    夢や理想の実現には1日1日の積み重ねが大切。スケジュールをしっかり管理しよう

  • 3

    自分を客観視する作業を繰り返す

    「なんで?」を繰り返して自分を掘り下げよう

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