【体育会系学生の皆さんが企業情報を正しく受信するための大切なお知らせ】

教えて! 「仕事」と「スポーツ」の関係 教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

自分が打ち込んできたことの自信は
言葉や表情に表れる

努力の積み重ねが顔や声に表れる


山本さん 写真

大学入学前の期間、そして大学の4年間スポーツに打ち込んできたのは、スポーツしかやってこなかったのではなく、これだけやってきているのだと誇るべきことだと思います。

苦しいトレーニングを乗り越えてきた積み重ねは、堂々とした表情、はっきりと自分の意思を伝える声など、自信として表れます。これは体育会系の学生の大きな強みです。こうした堂々とした態度で選考に臨めば、企業の担当者が感じる印象もきっといいはずです。



ワンポイントアドバイス

基本的なマナーや身だしなみに注意しよう

体育会系学生の堂々とした態度や豊かなコミュニケーション能力は大きな強みですが、それだけではいけません。企業の選考は自社の社員としての評価をされる訳ですから、社会人としてのマナーや身だしなみは大切です。マナーや身だしなみは、ちょっとした配慮で改善できるものです。企業はこうした細かな配慮を怠らない学生に好印象を抱き、しっかりと評価してくれます。


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体育会系学生が知っておきたい就活マナー

社会性を育むことができるスポーツ

得意、不得意などは関係なく、どんな人もスポーツをした方がいいというのが僕の持論です。それはスポーツをすることで、必ず何らかのコミュニケーションがその場所に生まれるからです。

そこから仲間ができるし、他者とつながることで自分の知らないことに出会う機会が増え、視野が広がります。体育会系の学生がいろんな価値観の人と競技を通してコミュニケーションを取ってきたことは評価に値することで、これは大きな強みになります。

話し方で周りからの見方も変わる

スポーツをしているときには声を出し合うことも多いと思います。チームスポーツなどでは、とくに自分の意思を他のプレーヤーに伝えるための大切な手段です。過去に声だしの練習をしたなんて記憶がある人もいるのではないかと思いますが、相手に聞こえないような声や、分かりづらい指示では、試合中に希望した通りのプレーを行うことができません。

就活の過程で、人とコミュニケーションを取る場合もポイントは同じです。相手にはっきり聞こえるように、ハキハキと自信を持って話すように注意しましょう。

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僕自身も自分の足を失ったばかりの頃は、気持ちが前向きになれないこともありました。でも、いろいろと経験を積み重ねて義足での生活に自信が持てるようになると周りからの見方も変わってきました。

心の中にある感情は人の表情や動作によく表れます。自分がやってきたことに対して自信を持っている人の立ち居振る舞いは、周囲に対して「この人、頑張れる人だな」という印象を自然に与えるものです。

実際に僕のランニングクリニックでコーチをしている選手も、ハキハキ話す様子が魅力的に見えたため、スカウトしたのです。

コーチ業に力を入れつつ世界記録も狙いたい

義足を使う僕だからこそできるコーチのやり方があると思うので、今後もコーチ業に力を入れたいと思っています。日本だけにとどまらず、海外でもできるといいなと思っています。

また、現役選手としては引退しているのですが、2024年の夏に800mで世界記録を樹立することができました。可能性がある限り、1500m、5000m、1万m、ハーフ、フルマラソンなど多くの競技で世界記録へのチャレンジを続けたいですね。僕のモットーは「可能性がある限り挑戦する」ですから…。

これは競技だけでなく、どんなことに対してもそういう姿勢でいたいです。失敗したらやめればいい、こういう気持ちでいれば挑戦することのハードルはぐっと下がると思います。


就職活動の取り組み方のコツ

自分の好きなことを掘り下げる

人は物事がうまく進まないと苦手な部分ばかりに目が行きがち。こういうときこそ、自分の好きなことに立ち戻って考えてみる。

失敗したことを後悔する時間をなくす

失敗は誰にでもあるし、怖いものではない。失敗して当たり前くらいの気持ちで臨めば落ち込みも最小限になる。落ち込んで後悔する時間を短くして次の挑戦を探そう。

自分の可能性を考える

自分はこれもできない、これも失敗とネガティブなことばかりに目を向けない。これならできるかも、こんな成功体験ができるからこんなことならできそう、と自分の可能性を探そう。


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PROFILE

山本篤(やまもと あつし)
1982年生まれ、静岡県出身。小学校では野球、中学、高校ではバレー部に所属。高校2年時にバイク事故により、左足を大腿(だいたい)部から切断。高校卒業後、義肢装具の専門学校へ進学。ここで競技用義足に出合い、陸上を始める。競技を本格的に続けるために専門学校卒業後、大阪体育大学体育学部に入学し、陸上部に所属。その後スズキ株式会社に入社。2008年パラ五輪・北京(ぺきん)大会の走り幅跳びで銀メダルを獲得し、日本の義足陸上競技選手初のメダリストとなる。その後パラ五輪・リオ大会で走り幅跳び銀メダル、400mリレー銅メダルを獲得。翌年スズキ株式会社を退職しプロに転向。2018年パラ五輪・平昌(ぴょんちゃん)大会にスノーボード日本代表として出場。2021年パラ五輪・東京大会で走り幅跳び4位入賞。2024年5月に現役を引退するも、同年10月第3回NAGASEカップ陸上競技大会で800mの世界記録を出す。現在は指導者としての活動を中心にイベントやランニングクリニックを行う。


マンガ

今回の教訓

成功・失敗にかかわらず、自分が好奇心を持ったことや得意なことは、可能性がある限り、挑戦することで自分の望む環境、働き方に近づける。常に自分はどうしたいのか、何が得意なのかを自分に問いかけながら、自己実現のためのきっかけになりそうなことはどんどん挑戦するようにしよう。

  • 1

    好きなことより得意なことをやる

    仕事を選ぶ際に、好きか嫌いかより、得意なことを探ってみよう。得意なことの方がうまくいく可能性が高く、うまくいって成功体験が増えれば好きになる。

  • 2

    可能性がある限り挑戦する

    チャンスがある限り挑戦してみることが大切。それが万が一失敗してしまったとしても、学びや新たな視点を得られることもあり、さらには次につながる可能性がある。

  • 3

    自らきっかけをつかみにいく

    何かを始めるための最初の一歩は「知りたい」「やってみたい」「楽しそう」といった自分の好奇心。そんな好奇心にきちんと反応してきっかけをつかむようにしよう。

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