教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

どのように目標設定をしていたのか
学生と社会人の違いを見せつけられたリクルート時代
当時のリクルートといえば、陸上界の名門でしたし、日本のマラソン界を代表する有森裕子さん、鈴木博美さんなど錚々たるメンバーの中で、緊張しながら練習する毎日でした。
入社してすぐのころ、練習終わりに一人のチームメートが監督に陳情する姿を目にしました。「監督は選手をひいきしている」と。
そこで監督が放った言葉は「平等に見てもらえると思ったら大間違い。学校を卒業して働いている社会人は、皆、どうしたら会社に評価されるのかと必死に考えて努力している。スポーツ選手だって同じことだ。私が見たいと思う選手になれ。私は響かない鐘はたたかない」というものでした。
衝撃的でしたね。学生と社会人との大きな違いや、実業団の選手としての責任を自覚するとともに、小出監督に見てもらえるようになるためには何をしたらいいだろうと、その日から必死に考えるようになりました。
選考などで問われる社会人としての自覚
周りの視点
社会貢献における役割や責任
企業や社会において評価される基準
関わり合い
円滑な人間関係の構築
社会通念や企業倫理の理解
成長性
学びや課題解決の意欲
時間の使い方
お金の使い方
社会人基礎力も測れる
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一日一日、全力を尽くすことでしか階段は登れない
当時はまだ見てもらえる選手でなくても、いつか小出監督に見てもらうためには指示されたメニューをこなすだけ、ただ走るだけでは足りない、補強練習や、自分なりの練習メニューに体調記録、その日のトレーニングの感想などをびっしり紙に書いて、毎日、小出監督にFAXで送るようにしました。

マラソンで学んだことはこうして一日一日、全力を尽くすことでしか前へは進めないということです。五輪など大きなレースではプレッシャーなどもあり、ただでさえ100%の自分の力を発揮するのは難しいものです。しかし、日々、その日にやれることに全力を尽くしていれば、「もう自分ができることは全てやっている。これなら80%の力でも勝てる」と思えました。
努力を続けられたのはマラソンを続ける覚悟を持っていたから
毎日、全力を尽くすといっても漠然と「毎日頑張ろう」と思っているだけでは頑張れません。私が一日一日、力を尽くすことができたのは目標に対する理由付けが明確だったからです。通常、競技者としての目標は日々の努力を、タイムやレースの順位といったわかりやすい結果につなげることですが、そうした結果を求める背景には「小出監督を喜ばせたい」という別の思いもありました。
ここに至ったのは、大学時代に教育実習を経験し、恩師から「日本一の監督の下で頑張る覚悟をしなさい」という言葉を掛けてもらったからです。教師ではなく、陸上を続ける覚悟ができたからこそ、必死で食らいつき、そんな私を引き上げてくれようとする監督をなんとか喜ばせたい、そのためには速く強い選手になりたいという目標を立て頑張ることができました。
目標があると課題も見えてくる
目標を持つことの最大のメリットは、自分の課題が見えてくることです。これはマラソンに限ったことではありません。マラソンならタイムを縮めたいからスピード練習が必要、後半に失速しないようにするにはスタミナをつける練習が必要など課題に対して何をすべきかが明確になります。

社会に出たときも「先輩のような頼られる人になりたい」「わかりやすい企画書を作りたい」といった具体的な目標を持つことで、そのために今、何をしたらいいのかがわかってきます。
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STEP 1
まずはなりたい自分を思い描こう
・営業成績でトップに立つ
・グローバルで活躍できる人材になる
・スポーツの発展に貢献する
・周囲の人を喜ばす仕事をする
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STEP 2
「なりたい」を叶えるために、今できる経験を積む
・将来の役に立ちそうなアルバイトをする
・業界・企業研究を行う
目標を立て、努力を続けるためのきっかけをつくろう!
身近なものごとから業界や企業の仕事を
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