教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

スポーツで得た力を社会で発揮しよう
気付きへの感度が高い
競技と真摯に向き合ってきた体育会系の皆さんは日々、どうしたらうまく、強く、速くなれるのかと常に自分を見つめて、振り返ることを繰り返しているでしょう。

そして、自分が成長するためには、今は何が足りないのかと考えることを習慣にしているのだろうと思います。
こうした思考は社会人になっても必ず役に立ちます。
どうしたら今の仕事をスムーズに進められるのか、どうしたら会社の力になれるのかを考え、対応策を提案し、会社の業務に貢献できる、これが体育会系の人の大きな強みです。
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1
ストレス耐性
緊張感に負けずに試合で実力を発揮できる、ハードな練習を続けられるといった、ストレス耐性の高さ。
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2
協調性
チーム一丸となり、目標達成に向けて取り組める強調力。
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3
弱点を改善できる素直さ
勝つために自分の弱点を受け入れて、改善を促せる素直さ。
体育会学生に求められるビジネスで役に立つ特性
体育会系学生の強みについて理解を深めるためのコンテンツはこちら!
体育会系学生に役立つ自己分析のポイント当たり前のことが当たり前にできる
監督、コーチ、先輩、後輩など年代や立場の違う人たちと、同じ目的のために切磋琢磨しながら人間関係を構築していく方法は、社会に出ても通用します。
人生の先輩を敬い、報告、連絡、相談を怠らない、基本中の基本が身に付いていることも、アドバンテージになります。スポーツをやってきた皆さんにとってはできて当たり前のことかもしれませんが、これらは必ずしも誰もができるわけではありません。仮に資格を持っているとか、優秀な大学にいたからできるというものでもないのです。
企業に勤めて働くのであれば求められる当たり前のことが、すでに当たり前に身に付いているということは、一緒に仕事をする人たちとの信頼関係を築くのに、とても大きなアドバンテージを得ているのだと思います。

社会人としての人間関係を築く方法
人を敬う気持ち
年齢・性別に関係なく、他人を敬う
さまざまな立場の人と接する社会人だからこそ大切
報連相を忘れずに
仕事をするうえで、報告・連絡・相談は欠かせない
その積み重ねで信頼が生まれる
仕事はきっちりこなす
与えられた仕事は責任を持って行う
指示されたから働くのではなく、自分ごととして向き合うことが必要
自分のスイッチの入れ方を知っている
私は皆さんから「野獣」という愛称で呼んでもらっています。主に試合中の険しい目つきや表情を形容されたものだと思いますが、私自身はこれを単なる表情の変化ではなく、柔道を続ける中で勝つために取得したスキルの一つと考えています。
まだ五輪で金メダルを獲る前、当時の世界チャンピオンと対戦する機会がありました。内心は怖くて怖くて、試合前に「ヒーフーヒーフー」と自然に口から発していたんです。その姿が野獣のようだったんでしょうね。相手は威嚇されたと思ったのか、すっかり萎縮していて、なんとその試合に勝つことができたのですよ。そのとき、「人の心って案外簡単に揺らぐんだな」と思いました。
それ以来メディアでも「野獣」と呼ばれるようになりました。
自分でも集中力や気迫などを高め、そのときの状態に近付けるようにして、あえて「野獣」になるスイッチを入れて試合に臨みました。
体育会系の皆さんは、こうして自分のスイッチを入れる方法を何かしら持っているはずです。集中力を高めたいときに、それをコントロールするきっかけを理解できているということは仕事をする上でも間違いなく役に立ちます。
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1
目的を明確にする
目標が定まっていない状態では、周りに流されるように就活を進めてしまう。
就活は今後の人生に影響する重要な取り組みなので、目標を明確にしておこう。 -
2
試合で勝ったときの自分を思い出す
どんなに優秀な学生でも、就活で苦戦する可能性はあり得る。行き詰まったときは、試合で勝ったときの自分を思い出そう。どういった状況や気持ちで臨んでいたのかを振り返ったり、その試合の前にどんな取り組みをしたのか思い出そう。
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3
まずは5分だけと決める
部活動と並行して就活を進める体育会系の学生にとって、時間は上手に使う必要がある。 疲れていて気分が乗らないときは「まず5分だけ」を合言葉に行動してみよう。エントリーシートの作成や面接の回答を考えるなど、短い時間でもできることはたくさんある。
就活モードになるスイッチを入れる3つのヒント

松本薫(まつもと かおり)
1987年生まれ、石川県出身。5歳から柔道を始め、中学3年で全国中学校柔道大会52kg級に優勝。石川・金沢学院東高(現金沢学院大付高)3年時に全日本ジュニア選手権57kg級を制した。2010年世界選手権57kg級で金メダル、12年ロンドン五輪でも頂点に立った。16年リオデジャネイロ五輪は銅メダルを獲得。この年結婚し、翌年第一子を出産。19年2月に現役を引退し、12月に第二子を出産。現在はアイスクリームの事業を展開しつつ、2児の母として育児に奮闘中。

今回の教訓
競技以外にできることがあるのか、社会で通用するのか不安に思っていても大丈夫。松本さんのお話を基に、焦らず自分の将来について考えてみよう。
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1
必ずしも好きなことを仕事にする必要はない
初めから好きでなくても大丈夫。続けることで何か自分の中に湧き起こる感情に目を向けてみよう。
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2
いつでも白帯の気持ちで臨む
分からないことや疑問に思ったことは、恥ずかしがらずにとにかく周りの人に相談する。いつも初心者のように謙虚な気持ちでいることが大切。
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3
自分の尺度を知る
自分はどこまでできるのか、どれくらいまでだったら能力を発揮できるのか、客観的に自分のものさしを知ろう。
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