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教えて! 「仕事」と「スポーツ」の関係 教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

共通点が多いスポーツとビジネスの世界

メンタルはコントロールすることが大切

メンタルは「強い」「弱い」といった表現をされがちです。でも、野球にしても、ビジネスにしてもメンタルにおいて大切なのは「コントロールする」ということだと思っています。

思うようにヒットが打てず、くやしい思いでベンチに帰ってくると、先輩から「打てなくて暗くうつむいたまま戻ってくる選手と、明るく戻ってくる選手だと次に監督が使うのはどちらだと思う」と言われたことがありました。

そこでハッと気付いたんです。現役時代からずっと影響を受けている新庄剛志さんのいつもポジティブでハッピーな雰囲気からもわかりますが、要はどちらの方が期待を抱けるかということが大事なんですね。

それ以来、僕は三振しても堂々と笑ってベンチに戻るように心がけました。そうすると、不思議と次は打てるという気持ちになれるのです。これは沈み込みそうな気持ちを自分でコントロールできたからだと思っています。

森本さん 写真

僕は朝がとても苦手なのですが、毎朝、起きたら鏡の前で必ず笑うようにしています。そうすると自然に気持ちが前向きになり、いつも元気で明るいという自分のキャラを作ることができるし、その日1日、ポジティブな気持ちで過ごせるようになります。

こうして日々の中でメンタルをコントロールする訓練をし続けていると、気持ちが安定して目の前のことに集中できるようになりますよ。元々、僕もそれほど明るい性格ではなかったのですが、今は元気と明るさが大きな武器となりました。


メンタルをコントロールするコツ

  • 1

    朝、鏡を見て笑う

    朝、起きたらまず鏡を見て笑顔をつくる。どんなに眠かったり疲れが残っていたりしてしんどくても、笑顔になることで「いい1日になりそう」とポジティブな感情が生まれてくる。

  • 2

    体を開く意識を持つ

    気持ちが落ち込むと、自然に体もうつむき、縮こまりやすくなるもの。肩や胸を開くことを意識して姿勢を整えよう。姿勢は呼吸や内臓の調子とも深くつながっているため、体の調子が整ってくれば、気持ちも前向きになる。

  • 3

    ポジティブにとらえる訓練をする

    嫌なことや困難なことがあっても、つらいと思わずに成長のチャンスだと言い聞かせて、ポジティブに物事を捉えられるよう心がける。


ワンポイントアドバイス

心と体は相互に影響し合う

メンタルのコントロールは元気になるポーズや姿勢を取ることで、それに引っ張られて気持ちを前向きにする方法と、物事をポジティブに捉えるように思考を変えることで気持ちを軽くして行動的になるという2つのアプローチがある。ときと場合に応じて両方を使い分けられると、メンタルのコントロールがよりしやすくなる。

落ち込むことはネガティブなことではなく、責任感の表れ

体育会系の学生はスポーツを通して、パフォーマンスが上がらない、タイムが出ないなどと悩んで考えて成長してきた経験もありますし、頑張った自負やプライドもあると思います。

一方で「学生時代にスポーツ以外の経験をしてきていない」と引け目を感じて、就職活動にも自信を持てなかったり、スポーツから離れた分野で失敗したりすると、大きく落ち込んでしまうかもしれません。

森本さん 写真

ただ、常にポジティブな状態を保つことばかりが良い訳ではなく、実は「落ち込む」という感情は、社会にとっては宝なんです。

スポーツに取り組んできた皆さんは、練習や試合で失敗したときに落ち込んで、どうすれば次に成功するのか、勝てるのかと繰り返し考えてきたでしょう。つまり体育会系の学生は課題に向き合う習慣が自然に身についているので、仮に仕事で失敗して落ち込んだとしても、次にどうするか考えられるんですよね。それは「仕事に対する責任感がある」ということです。

メンタルが鍛えられていれば、ただ落ち込むのではなく、反省して成功するために、行動できるようになるんです。反対に、失敗しても落ち込まない人は一見ポジティブに見えますが、仕方ないと開き直ってしまっていることも多いように思うので、それは良くないことなんじゃないかなというのが僕の持論です。

コミュニケーションの基本は、自分から心を開くこと

コミュニケーションはスポーツであれ、仕事であれ、自分のパフォーマンスを発揮するうえでとても大切です。

初めて会う相手と話をするときには、つい相手のあれこれを知ろうとして聞き手に回りがちです。でも、まずは自分のことをオープンに相手に伝えてから話を進め、どんな相手に対しても同じように、フラットに接することが僕流のコミュニケーションです。

相手のことばかり聞き出そうとすると、相手は僕の本心がわからないため構えてしまい、なかなか距離が縮まらないのです。だから、まずは自分のことを10のうち5くらい話してみましょう。そうすると相手からは1くらいは返ってきます。最初はたとえ、自分が10話したところでせいぜい3返ってくるくらいです。だからこそ、相手を知りたいのならば自分の心を開くことがコミュニケーションの一歩だと考えています。


コミュニケーションを深めるコツ


フラットに接する

相手によって態度を変えず、誰とでも同じように接する。気を遣いすぎる or 気を遣わなさすぎるなど相手によって接し方が違うと、相手も心を開きづらくなる。

自分のことから話す

出身地や家族構成といった素性の一部や、興味があることなどを話すだけでも、相手が自分のことを理解しやすくなり、会話のきっかけも増える。

質問攻めにしない

相手のことを知りたい一心で質問ばかりしてしまうと、自分のことを知ってもらうチャンスを逃してしまう。自分のことを話してから相手へも質問して相互理解を深めよう。


ワンポイントアドバイス

相手を知るより自分を知ってもらう

相手を知るためには、自分を知ってもらうことが実は近道。自分の素の部分を明かすことで、相手と良い距離感が取りやすくなり、相手も自分のことを話しやすくなるので、コミュニケーションがスムーズになっていく。

型にはめすぎず、自分らしさを求める

野球の場合、打順が変わっても自分らしさを失わないことが実はけっこう大事です。例えば4番バッターなら出塁しているランナーをホームに帰す役割があるので、大きな当たりを狙うのが一般的ですが、僕はそのセオリーに縛られる必要はないと思っています。

もし僕が4番バッターに指名されたとしましょう。17年のプロ生活で通算30本のホームランしか打っていない選手がホームランを狙うのはチームのためになりません。それならば4番バッターであっても、大きな当たりではなく、確実に出塁するのが正しい選択だと思います。

森本さん 写真

こうして自分の特長を生かす大切さは、体育会系の皆さんが社会に出ても同じことです。仮に就職して、自分が希望している部署とは違うところに配属になっても、その部署で必要とされる働き方に加えて、そこで求められる自分らしさとは何かと考えて行動すれば、ビジネスの世界でも必ず活躍できると考えています。

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