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教えて! 「仕事」と「スポーツ」の関係 教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

状況は変えられなくても、意識は変えられる

アメリカのプロリーグへ参戦し刺激を受ける

2013年、2015年の2回、日本のリーグがオフシーズンとなる7~8月にアメリカのプロリーグ「NPF(National Pro Fastpitch)」へ参戦を決めました。それは自分のプレーに対する刺激がほしいと思ったからです。

ソフトボールは4~6月、9~11月がオンシーズンとなるのですが、毎年同じ環境で、同じリズムでプレーすることに慣れ、新しいものを吸収しづらくなっている自分に気付いたからです。このタイミングでのアメリカ参戦は、とても大きな収穫につながりました。

とくにミスをした時の切り替えの早さや、プレーに対してポジティブに考えるマインドといった文化の違いを体感することは、私にとってはいい刺激でした。さらに、日本とアメリカの良い部分を融合できたら日本のチームは最強になるという思いも膨らんだのです。

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私自身、五輪での金メダル獲得という大きな夢を達成したことで、どこかやりきってしまったような気持ちになっていましたが、そんなことはない。「まだまだ自分にはやれることがある」と見定める先を変え、意識を変えることで再びソフトボールへのモチベーションが上がってきたのです。

東京五輪で復活したソフトボール

北京五輪以降、ソフトボールは、五輪の種目から外されていましたが、2020年の東京五輪では、開催都市が独自に追加できる正式種目として実施されることが決まりました。

ところが喜んだのもつかの間。2020年、新型コロナウイルスの感染が拡大した影響で合同練習ができない日々が続き、大会の開催自体も危ぶまれることとなりました。
緊急事態宣言を受け、チーム練習もできずにもんもんとした日々を過ごしていましたが、この状態を続けるのはよくない、何か自分にできることはないかと考えて、独自でトレーニングをし、また過去の映像を見てひたすらイメージすることに時間を費やしたのです。

できないこと、変えられないことに目を向けても仕方がない。変えられるのは自分の意志だけと思い、環境を変えて自分にできることを探しました。


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長所短所診断

重圧に押しつぶされた最後の五輪

1年遅れで開催された東京五輪は、重くのしかかるプレッシャーとの戦いでもありました。2008年以降、ロンドン(2012年)、リオデジャネイロ(2016年)の2大会を挟む13年間の空白時間を経て、開催国として「絶対に金メダルを取ってほしい」という期待が膨らんでいましたし、選手たちもそれをひしひしと感じていました。

また私もベテラン選手になっていたので、自分だけでなく、チームが結果を出すためにどういう環境を作るべきかということを考えました。同じキャプテンでも2008年当時とは違い、背負わなければいけないものの大きさにおののきました。

初めて日本代表としてプレーした時に、緊張して体調を崩してしまった自分のことを振り返り、とにかくチームのみんながのびのびプレーできるように心掛けました。うまくいかなくて落ち込む後輩には、「うまくいっていたときはこんな風だったよ」と成功体験をイメージできるように意識して声掛けをしたのです。


プレッシャーを緩和させるコツ


成功したときのことをイメージする

今までの成功体験から、そのときどんな心境だったのか、どうしてうまくいったのかを思い出し、成功したときをイメージしてみよう。

客観的に評価する

プレッシャーを感じているときは、自分にはできないかもしれない、と自己評価が低くなりがち。客観的に見ればそのプレッシャーも大したことはないように思える。

タスクと優先順位を明確にする

何からすべきか、わからなくなって不安を感じることもプレッシャーを強める要因の1つ。思いついたことに取り掛かるのではなく、全体を俯瞰(ふかん)してやるべきことの優先順位をつける。


ワンポイントアドバイス

成功した時のイメージを持つことが大切

プレッシャーを感じると、何からやっていいのかわからない、何をしてもいいイメージができない、と負のスパイラルに陥ることがある。そういうときは、できるだけ成功した時のイメージを呼び起こして、目の前のことから1つずつクリアしていこう。

自分の好きな球が打てなくなったときに引退を決意

現役当時は、毎朝4時に起きて筋トレと素振りなどのトレーニングをこなしていました。こうしたルーティンを欠かさないことで、自分が成功するイメージを維持できていました。

ところがあるとき、こういう準備をするのがしんどくなったのと同時に、得意だったインコースの球が打てない自分に気付いたのです。ルーティンがこなせない、できないことが増えたということで「そろそろかな…」と、引退を決意しました。後悔はなく、やりきった感じです。


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