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教えて! 「仕事」と「スポーツ」の関係 教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

感覚ではなく、論理的に考えること

修士論文で自分のトレーニングを論理的に分析

大学院での修士論文は、自分がこれまでに行ってきたトレーニングと結果の関係について書きました。例えば、スピード練習を何本行ったのか、何時間トレーニングをしたのか、どのような質のトレーニングを行い、それによってどのような結果が出たのかを、今までの練習日誌から振り返り、まとめていったのです。

論文なので感情や記憶ではなく、考察から導かれる何らかの「主張」が必要です。それを裏付けるために過去の記録からデータ(事実となる情報)をまとめ、エビデンス(根拠や証拠)を集めなくてはなりません。また、トレーニングがどのような結果につながったのかを言い切るには、そうした事実や根拠を基に論理的に文章を構成することが重要になってきます。

論理的な文章とは、言い換えると科学的ともいえるものです。客観的な情報や根拠に基づいて、ものごとの因果関係を整理し、体系立てて考えること。私の場合ですと、どういった練習をした場合に、体の使い方や走り方がどう変わったのかといった分析を進めました。

そういう意味では私自身や、私が行ったトレーニングが研究の対象となる訳ですから、自分を客観視することが必要です。

福島さん 写真

このように自分を見つめ直して客観視することは、体育会系学生の皆さんが「自己分析」を行う際にも共通するものです。論文を書く機会に関係なく、スポーツに取り組んできた人であれば、これまで練習やトレーニングの成果を振り返る場面が数多くあったと思います。

日頃から自分を見つめ直す経験を多く重ねてきた強みを、自己PRする材料を見つけるために上手に活用してください。


「論理的な思考力」を自己PRに生かすポイント


  • 1

    体験をより具体的に伝える

    自分の実体験については、できるだけ具体的に相手に伝えるようにする。例えば、所属している部内でマネジャーをしていた際に、自分のチームや相手チームの分析、データの整理を行った経緯、課題解決のための工夫など。

  • 2

    成果を客観的なデータを用いて伝える

    自分には何ができるのかという能力を、具体的な成果(記録や数値による指標)によってアピールする。例えば何名が所属する部活で、会計係として部費の管理を任されており、コストの削減をする(どの程度の金額を削減した)ことで、合宿費に充当できたなど。

  • 3

    取り組みにおけるエビデンスを伝える

    結果だけでなく、結果に至るまでの考え方を伝える。例えばチームの状態が悪いときに、練習方法や試合の戦術において策を講じた経験があるのなら、どのような情報を参考にして、どんな手法が必要だと判断したのか、その根拠となったものを伝える。


ワンポイントアドバイス

面接では「事実」を話す

自分がしてきた「事実」を基に相手に話をすることが大切。どのように考えて行動し、それによりどういった結果が得られたのかを、具体的な情報(データやエビデンス)を盛り込んで自己PRとすることで、説得力のある内容になり、PRしたいポイントが面接官にしっかりと伝わるようになる。

ディスカッションの中で磨いた自己表現力


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順天堂大学の山崎先生とトレーニングを行うようになると、ディスカッションの機会をできるだけ増やそうと意識するようになりました。

短距離走における「走りの動作」は、身体の筋肉や関節などが連動したり、連鎖してできているものです。こうした細かな動きを一つ一つ全て言語化するのは難しい作業ですが、ディスカッションを重ねることで、自分の考えやどう表現したいかという思いが明確になりました。

ディスカッションを通して自分の思いを言葉にすると、自分自身への理解がさらに深まりますし、自己表現のための練習にもなったと思います。

皆さんも、ぜひ練習や試合の成果などを、周囲と共有したり、ディスカッションしたりする機会を増やして、自己表現のレベルアップを図ってみてはどうでしょう。就活の場、特に面接でも、きっと役立つはずです。


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自己表現の練習をするとともに、コツを身につけよう!

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上手な自己表現以外にもある成功ポイントを確認!

自分の経験や考えを言語化


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年齢が30代に入ると、10代や20代の頃のように1日中トレーニングをすることができなくなりました。疲労も残るし、無理をすればケガのリスクも高まるからです。

そのため、トレーニングの時間全てを、体を使うことには当てずに、頭を使って走ることを覚えました。

これはやはり、大学院での研究を通して自分を客観視することを徹底したり、山崎先生とのディスカッションによって自分の考えを言語化したりといった経験が生きています。

そして、これらの経験は現役を引退し、選手から指導者という立場に変わった今でも、とても役に立っています。自分の考えを話し相手に伝わるように言語化することは指導者にとっては重要ですし、体育会系の学生の皆さんにとっては、これから就活に取り組む中で求められる場面が増えると思います。

特に面接などにおいては、自分の経験、考え方が面接官に正しく伝わらなくてはいけません。というのも、面接官は、必ずしもスポーツに興味や理解があるとは限らないからです。
スポーツに詳しくない人に対しても、自分の経験や強みを上手に伝えるためには、言語化能力が必須なのです。

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