教えて!
「仕事」と「スポーツ」の
関係

大切なのは手段ではなく目的
引退に悔いなしと思えるように競技に専念
リオデジャネイロ五輪から環境を変えて挑む東京五輪。ケガとの闘いもあり、頭の片隅には引退という可能性も引っかかっていたものの、とにかく競技に専念し、全力を出し切ることを最優先に生活していました。

私はどのような状況下においても、まずは自分の掲げた目的と向き合って、何をするために、今、自分がその場にいるのかを考えることを信念にしてきました。常に目的から目をそらさずに、自分の取るべき行動を考えることは、スポーツ競技だけに限らず、就職活動においても同様に役に立つと思いますので、皆さんにもぜひ取り入れてもらいたい習慣です。
どんな場でも目的意識を
学事や部活の練習、試合などとの兼ね合いで、就職活動との両立に悩む体育会系学生の声をよく聞きます。自由な時間が限られているからこそ、目的意識を持ち、活動の質を高めることをおすすめしたい。目的なく会社説明会や就活イベントに参加しても自分の価値観に合った企業や、入社したいと思える企業に出会えるかは分からない。まずは自己分析などに取り組む時間を大切にして、企業選びの軸や目的意識を持って臨むようにしよう。
会社とどう関わりたいのかを考えて企業選びを
大学院を卒業して競技を引退した後、私は順天堂大学の職員として陸上部の指導者になりました。スポーツ競技者の引退後を想像すると、私のように指導者になるという選択肢が最初に浮かぶかもしれませんが、スポーツに関わりのある仕事は、何もそれだけではありません。

ですから、体育会系の学生がキャリアを通してスポーツに携わり続けたいと考えるとき、選択肢はプロアスリートや指導者という形に限りません。例えばスポーツを応援している企業に所属し、自分の競技経験を生かして選手や体育会系の学生を支える側に回るという道もあるのです。
ただ就職をすることを目的とするのではなく、そこでどう働きたいのかという目的を明確にして企業選びをすると、自分らしい選択ができるでしょう。
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スポーツに関わる業界を基に企業選びの視野を広げる指導者として思うこと
大学の教員として学生と接する中で、卒業後も競技を続けたいと考える学生からときどき相談を受けます。その内容の多くが、所属先を選ぶ際のポイントについてです。
そういった相談を受けた際、私はどんな会社かよりも、自分の目指すところへ到達するために、どれだけやりたいことに打ち込める環境なのか、あるいは周囲がサポートをしてくれる環境なのかで選ぶことを勧めています。
これは就業後にスポーツを続けようと考えている学生だけでなく、純粋に企業への就職を考えている学生が、今後のキャリアを検討するうえでも大切なことです。
就職する学生も、競技を続ける学生と同じように、どんな企業に就職し、将来はどうなりたいのかを考え、企業選びをしてほしいと思います。
知っておきたい
就活情報
キャリアプランを問われる理由
業種、企業の種類を問わず、面接などで頻出する質問に「○年後に歩んでいたいキャリアプラン」というものがある。これは、まだ社会に出ていない学生にとって、回答に迷うものの一つ。この質問では面接担当者は、面接に来た学生がどれだけ具体的な目標を持ち、現実的に自社で働くイメージができているのか、そして成長意欲はあるのか、自社との相性はどうかを探っている。業界や企業の研究をしっかりと行いキャリアプランを練ることは、自分自身の未来を育むためにも重要なもの。面接対策を良い機会として、改めて考えてみよう。
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先輩のエントリーした企業も参考にしてみよう競技を続けるのならデュアルキャリアも選択肢の一つ
日本国内では、社会人が陸上競技の選手として活動する場合、実業団に所属するのが一般的です。しかし企業の所属選手となるためには、全国大会に出場するレベル、日本代表レベルの実力がないと難しいのが現実です。
ただし、実業団選手になるのではなく、単純に陸上競技を続けるだけならば陸連(日本陸上競技連盟)に登録して、働きながら市民ランナーとして楽しむこともできます。競技を続けるという意味では、それも一つの方法だと思います。
近年はアスリートの競技生活を支援する企業も増えてきていますので、そうしたスポーツへの理解がある企業を選ぶことで、デュアルキャリアという選択肢も考えられるでしょう。
プロ選手や指導者だけが選択肢ではない
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競技を続けたい・アスリートに理解のある企業に就職し、仕事と競技を両立する
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仕事を通してスポーツに携わりたい・スポーツイベントの運営や企画、広報ができる企業に就職する
・スポーツメーカーに就職する
・スポーツ施設の運営をしている企業に就職する -
観戦を通してスポーツを楽しみたい・自分の時間が持てる企業に就職する