農漁業の従事者減少、高齢化進む。法人化、資源管理で課題解決へ
農業は従事者減少、高齢化が進んでいる。農林水産省の農業構造動態調査によると、2024年2月時点の基幹的農業従事者は111万4,000人と減少が続き、15年比で約64万人減だ。しかも、60歳以上の割合が8割、65歳以上は約7割と、高齢化も目立つ。
これに対応し、農水省は新規就農者への支援や農業経営の法人化などの施策を進める。新規就農者支援は14年度から開始。18歳から原則45歳の就農希望者が、就農計画を作成して市町村に認定されれば、準備資金や経営開始資金を年間最大150万円が支給される。16年度から21年度の認定事業者は年間5万人を超えていたが、22年度は前年度比12.3%減の4万5,840人と2桁のマイナスとなった。
農業経営の法人化も進む。農地法の改正により、農地の取得が可能な農地所有適格法人は23年1月時点で2万1,213社と、00年時点に比べほぼ倍増した。法人化により、収益率の向上、作業効率化、労働環境の改善が進み、就農者増加にも寄与すると期待される。
一方、漁業も同様だ。水産庁によると、22年の漁業従事者は約12万3,000人と、10年前に比べ約6万人の減少。平均年齢は56.3歳で、2050年頃には約7万人に減ると予測されている。同庁は24年度からさらなる資源管理の高度化などを進め、30年には22年比で約13%増の漁獲量444万トンに引き上げ、魚介類全体の自給率を54%から、32年には76%に高めることを目標としている。