まちづくり関連企業特集

 何もない土地から、どのようにまちは生まれるのでしょうか。さまざまな視点から、まちづくりを見てみましょう

支える

 街の形が出来上がり、人が移住して生活を始めたとき、ようやくその場所は「街」として機能するようになる。しかし、それだけではまだ、街は完成していない。維持するためのシステムが必要だ。不動産やビルの管理は、街を発展させるためには欠かせない要素である。

まちを支える

不動産(管理)

 投資用マンションの売上が好調だが、購入後は当然ながら賃貸物件として回していかなければ、利益を生むことはない。しかし素人がいきなり不動産賃貸を始めるのは大変だ。そこで、多くの場合は不動産管理会社に任せることになる。委託された管理会社は、まず、入居者の募集を行う。経済状況の審査、保証人の確認を経て契約したら、今度は月々の家賃を集金し、滞納が起こらないように管理する。

 クレームなどのトラブルが発生したときは、対応するのも仕事だ。更新時には必要書類を作成し、解約となれば敷金の精算、原状回復のための工事、退去手続きをする。定期的に建物をチェックし、修繕に必要な業者の手配も任される。このように、賃貸業務にかかわる業務は細々と多岐に渡り、知識や経験なしではとても務まらないものだ。こうした専門知識を備えた資格者が「賃貸不動産経営管理士」である。2016年からは業者に対して一定の資格者の設置が義務づけられ、貸主が業者に管理を委託する際、管理内容にどこまで含まれているのか書面できちんと確認できるようになった。

 管理会社とオーナーとの契約形態については、「管理委託方式」と「サブリース方式」の2種類がある。「管理委託方式」の場合、入居者と賃貸借契約をするのはオーナーであり、管理会社は実質的な管理のみを行う。「サブリース方式」は、マンション1棟丸ごとを、管理会社がオーナーから借り受け、入居者と直接、契約を結ぶ。後者の場合、管理会社は空き室が埋まるまでの間もオーナーに賃料を支払うリスクを負うが、入居者とトラブルが起きた場合は当事者として法的措置を取ることができる。

ビル管理・メンテナンス

 マンションを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスがどうしても欠かせない。ビル管理は、ビルクリーニング技能士、ビル設備管理技能士、清掃作業監督者など、さまざまな資格を取得したスタッフが、清掃・点検・修繕などを重点的に行う。知識と経験、技術を兼ね備えた労働力に負うところが大きいのだ。

 日常的なメンテナンスの財源は、入居者が払う管理費であるため、空き室が少ないことはビル管理会社にとって、安定経営の条件となっている。不動産グループの傘下であれば、母体の大きさゆえに、経営はより安定していると言える。一方、独立系の会社だと、価格競争や入居率に影響されるのは避けられないのが現状だ。ビル管理を営む企業が都心部に集中しているのは、高層ビルが密集していて需要のパイが大きいこと、そして空き室が出ている期間が比較的短いので、リスクを軽減できるという理由による。

(画像素材:PIXTA)

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