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まちづくり関連業界の現在の状況や、注目を集める分野について、今後の業界の動向も踏まえて知っておきましょう。
【第1回】都市開発から、町の不動産屋まで
INDEX
不動産を二つの軸から考える

「不動産業界とは何か」
それは一口で説明できるものではない。もちろん、ほかの業界も同じだが、さまざまな企業が属し、数多くの事業がある。ただ、不動産業界のそれは、ほかの業界に比べて、バリエーションの幅が広いといえるかもしれない。
学生の皆さんにとって一番身近な不動産会社といえば、大学に入学して一人暮らしを始めたときに、アパート探しの相談に乗ってくれた駅前の不動産屋さんかもしれない。その一方で、ウォーターフロントを開発し、きらびやかな高層マンションを分譲するのも不動産会社の仕事だ。このどちらも「不動産業界」である。
わかりやすく整理してとらえるためには、次の二つの軸から考えるとよいのではないかと思う。
(1)業態から考える
大きく分けると「売買」と「賃貸」がある。さらに売買は、「分譲(開発)」と「流通(仲介)」に分けられる。加えて最近は「管理」「不動産投資・運用」も重要になってきた。 つまり、業態から考えた場合に、不動産業界の会社は「分譲(開発)」「流通(仲介)」「賃貸」「管理」「不動産投資・運用」の大きく五つに区分されるといえるだろう。
(2)取扱物件から考える
まず、大きな分け方として「居住用」か「事業用」がある。それとは別に「マンション」か「一戸建て」「土地」かという分け方もあるだろう。 さらに「競売物件」「トランクルーム」「リゾート物件」など、特殊な物件を専門に扱う会社もある。 最近では「ペット可物件専門」といった形で、ピンポイントな専門分野に特化した会社も増えてきているようだ。
就活で、不動産業界の会社に興味がわいたときは、上記(1)と(2)の組み合わせから、その会社がどこに位置づけられるのかを考えていくと、どんな会社かがイメージしやすいだろう。A社は全国各地で「マンション」の「開発・分譲」を手がけているが、B社は地元密着型で「居住用物件」の「仲介と賃貸」をやっているといった具合である。
同じ「不動産業界」に属するといっても、A社とB社では、仕事内容は全く違うし、求められるスキルや専門知識にも違いがある。それぞれの特色については、今後、詳しく取り上げていくことにしよう。何も考えずに、内定が出たからという理由だけで就職してしまうと、入社してから「想定外だった…」ということになりかねない。
一般に、大手企業は手広く事業展開しているが、中小企業は「開発」「流通」「賃貸」「管理」「不動産投資・運用」のいずれかに分野を絞っていることが多い。小規模の企業も多いのが、不動産業界の特色だが、じつは小規模には小規模ならではの良さもある。
たとえば、「ペット可物件専門」や「歯科医向け物件専門」など、超ピンポイントな専門分野に特化した業者もいる。また、その地域で何十年も営業しているという「地域密着型」の業者もいる。地域やターゲットを絞っているから、大手に負けないきめ細やかなサービスを提供できるのだ。
このように、分野も規模もさまざまなのが不動産業界だ。これだけバリエーションに富んでいるということは、自分の興味関心に合った会社や、自分らしく働けそうな会社と出会える可能性だって高いかもしれない。先入観を持たずに、一度のぞいてみてはどうだろう。
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