まちづくり関連企業特集

 まちづくりを取り巻く仕事や業界のトレンドについて、注目を集めるキーワードを取り上げながらご紹介します

ユニバーサルデザイン

誰にとっても安全で
使いやすい住まいへ、
やさしく繊細な感性を研ぎ澄まして

ユニバーサルデザイン

 住宅づくりの世界で、人へのやさしさを最もわかりやすく示しているのがバリアフリー。段差をなくし、お年寄りの歩行を安全に導く手法である。このほかにも、床を滑りにくくする、浴室や階段には手すりを付ける、浴槽をまたぎやすい高さにする、車椅子の移動に配慮して廊下やトイレを広くしたり、スロープを設ける……。いずれもバリアフリーの基本である。こうした取り組みは、主に高齢者や障害のある方が同居する住宅の対策として考えられてきたが、昨今は若い世代の家族でも将来を見据え、新築時からバリアフリー化するケースが当たり前のようになった。そして、その方向性をさらに進化させるのがユニバーサルデザインとなる。

 ユニバーサルデザインとは、誰もが利用しやすい製品やサービスをデザインする、という考え方だ。いまや多くのモノづくり・サービスの指針となっている。住宅づくりにおいてもバリアフリーのみならず、あらゆる観点からユニバーサルデザインが追求されている。人の動きや動線に関する研究の進化が、安全性と使いやすさを高めてきた。

 たとえば食器が出しやすく収納しやすいラック。つかみやすい手すりやドアノブ。操作しやすいスイッチ。深夜の歩行を安全に導く夜間照明の工夫……。これらの開発の根本を支えるのは、日々の暮らしに対するやさしい視点だ。繊細なアンテナを張り巡らす感性と地道な努力は、交通事故より多いと言われる家庭内事故を減らすという、社会的意義の大きなこととなる。

(画像素材:PIXTA)

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