20 まちづくりをキーワードで知る - 就活支援 - マイナビ2024

まちづくり関連企業特集

 まちづくりを取り巻く仕事や業界のトレンドについて、注目を集めるキーワードを取り上げながらご紹介します

地域コミュニティ

相互扶助のシステムを
復活させることが、
現代社会の大きな課題

地域コミュニティ

 人は皆、一人では生きていけない。核家族化が進んだ結果、子育てや老人介護の責任を家族だけで抱えていくことの難しさが、社会問題となっている。昔は、冠婚葬祭、福祉、教育、防災など、生活に関する相互扶助のシステムが、今よりも機能していた。個人や家庭の問題に地域コミュニティ全体で対応し、社会からの孤立を防いでいたのだ。祭りなどのイベントを通じて、その地域に独特の文化や特色が根付いていたし、青年会や町内会は地域全体の課題について話し合い、行政の手が届かない細々した部分を補完する、重要な役割を果たしていた。しかし、そうした地域コミュニティは、高度経済成長で社会構造が変化し、都市部へ人口と経済が集中する中で、次第に廃れていくことになる。

 今、再び地域コミュニティの存在意義が見直されている。とくに東日本大震災や熊本地震などの災害後は、その重要性が改めて浮き彫りになった。インターネットという新しいツールを活用して近隣の仲間を集め、そこを入口に、実際に顔を合わせて相互扶助を行う母親たちのグループや、幼老共生を目指して保育所と連携する高齢者ホーム、「学び」をキーワードに、地域住民に施設・講座を提供する大学など、小さなコミュニティの芽生えが、あちらこちらに見られる。

 しかし、多くの場合、個々のコミュニティは独立しており、互いに交流する機会はほとんどない。「地域コミュニティ」として機能するためには、それらがつながりまとまっていく必要がある。いまは過渡期だが、各地方自治体が主体となり、企業や市民と協働の上、地域コミュニティ再生を目指す動きは、今後いっそう盛んになっていくだろう。

(画像素材:PIXTA)

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