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施工・測量・積算・設計(土木)の職種

何をやる仕事?

施工・測量・積算・設計(土木)はいずれも、建設に関わる専門職種。
「施工」は、計画された工事を実施することを意味し、設計図や仕様書などをもとに各種建設や工事、整備などを行う。読み方には「せこう」と「しこう」の両方があるが、建設関連で使われる「施工」は「せこう」と読むことが通常で、法律関連で使われる「施行」は「しこう」と読み分けるのが一般的だ。

現場では、「施工管理技士」が、安全管理(作業員の体調管理や、足場や仮設備の整備具合などをチェックする)、工程管理(計画通りに工事が進んでいるかをチェックし調整する)、品質管理(コンクリートが必要な強度を満たしているかなど、設計書や仕様書、地方自治体が定めた条件などを満たしているかどうかという観点から品質をチェックする)を随時行い、作業が進められる。
なお、建設関連用語で、「着工」は実際に建設工事に取り掛かることを意味し、「竣工」は建設工事が終わることを、「施工」は「着工」から「竣工」まで建設工事を行っていることを意味する。

「測量」は、土木設計に先立って現場の地形を把握する仕事だ。プロジェクトにおいて一番基礎になる部分だけに、極めて正確な作業が求められる。

「積算」は、工事にかかわるさまざまな費用を見積もり、予算を出す仕事だ。
その際に考慮する要素としては、資材の費用、機器類のリース、人的コストなどがある。
また、工事の進行中、予算内に収まるよう管理も行う。

建設業が携わる対象は広く、建築(オフィス・マンション・商業施設・工場などの構造物)と、土木(橋梁・道路・ダム・トンネル・河川・鉄道など生活基盤を支えるインフラストラクチャー)に大きく分かれている。その中で、プロジェクトの上流部分にある職種が「設計」だ。建築設計では、デザインや内装、設備のグレードなども重要な要素だが、土木設計ではこうした要素は限定的で、構造の安全性に力点が置かれるという特徴がある。土木工学はもちろん、鉄筋・コンクリートなど主要材料に関わる知識が重要となる。

どんな能力やスキルが求められるか?

■「施工」に関わる資格では、国家資格の「施工管理技士1級・2級」がある。以下の7種類の専門領域ごとに1級・2級の技術検定試験が行われ、一次検定に合格した者は「施工管理技士補」を、二次検定に合格した者は「施工管理技士」をそれぞれ称することができる。なお、資格によって管理できる業務の内容が異なっている。
建設機械施工管理技士
建築施工管理技士
電気工事施工管理技士
土木施工管理技士
管工事施工管理技士
造園施工管理技士
電気通信工事施工管理技士

■「測量」の仕事に就くには、「測量士」または「測量士補」の国家資格が必要。大学や専門学校で取得するほか、入社後に通信教育などで取得することも可能。

■「積算」では、建設の工程や工法についての知識が必要で、「建築積算士」という資格がある。学生時代に建築や土木の勉強をした人が多いが、それ以外でも入社後に営業や現場監督の経験を積み、この仕事に就くというケースもある。

■「設計(土木)」では、構造的な検討が特に重要となるため、構造力学の知識は必須。また、土木工事では広範囲に及ぶ大工事となる場合も多く、周辺への影響も大きい。完成後の状況もイメージしながら広い視点で物事を見通せる能力も重要だ。関連資格には、「土木施工管理技士1級・2級」、「建築施工管理技士1級・2級」、「技術士(建設部門)」、「コンクリート診断士」などがある。

施工・測量・積算・設計(土木)の職種の企業情報

※原稿作成期間は2024年12⽉28⽇〜2025年2⽉28⽇です。

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