出版市場は4年ぶりに減少。電子出版の成長が鈍化
2022年の出版市場は前年比2.6%減の1兆6,305億円と、4年ぶりに減少した。内訳は、書籍・雑誌などの紙媒体が同6.5%減の1兆1,292億円に対し、電子出版は同7.5%増の5,013億円。ネットで無料で情報を得る時代となり、書籍や雑誌の販売が低迷。出版科学研究所によると、書店数も22年で約1万1,500店と、10年前から約5,000店減少した。新品の書籍や雑誌は出版社が取次会社に委託して全国に流通させる。ただ、新刊本は返本が可能で、その比率は4割にものぼるとされ、出版社の収益を圧迫している。これに対応し、ICタグで在庫や配本計画を最適化する企業も登場しており、効率化が期待されている。
一方、電子出版はプラスとなったが、これまでの2桁成長から伸び幅が鈍化した。電子コミックは同8.9%増の4,479億円と伸びたものの、電子書籍は同0.7%減の446億円、電子雑誌は同11.1%減の88億円。同研究所では電子出版も成熟期を迎えたとしている。